タマ数は多くないが、魅力的な価格になってきている
まさに、スーパースポーツセダンにふさわしいレクサスIS Fだが、2019年5月現在中古車の流通台数は78台となっている。
そのうち約70%はモデル初期の2007年〜2009年に集中していて、ヘッドライトにL字型のポジションランプを採用した2011年モデル以降はわずか15台とかなりレアな存在となっている。
直近3カ月の中古車の平均価格を見てみると、3カ月前が約262万円で、3月に上旬に一時274万円まで値上がりしたものの、現在は248万円まで下がっているので、概ね値落ち傾向となっている。
中古車の平均走行距離は約6.1万〜6.5万kmと微増しており、相場が値上がりした時は走行距離が多く価格の安い中古車がなくなり、一時的に平均走行距離が約5.6万kmと減少していることもわかった。
販売開始から12年が経過したIS Fの中古車の平均価格は248万円。そして価格帯は128万〜599万円とかなり幅広くなっている。
グレード構成はほとんどがベースグレードで、わずかに2009年2月に登場した限定50台のブレイジングテラコッタインテリア、そして2013年9月に設定された特別仕様車のダイナミックスポーツチューニングが流通している。
さすがに100万円台の物件は走行距離10万kmオーバーという走行距離の多い物件が中心となるが、年式を考えれば10万kmぐらいならば、決して過走行というワケではない。
できれば、長く乗りたいから走行距離が少ないものをという人ならば予算200万円は用意してもらいたい。300万円を超える高額車の中には走行距離がわずか1万kmというクルマも見つかる。
安く手に入れて、スーパー性能を堪能するのもオツなもの
IS Fの中古車の特徴としては元々のポテンシャルが高いこともあり、チューニングやエアロパーツを装着したクルマが非常に少ないことが挙げられる。
サスペンションやホイールなどを交換しているクルマはあるが、見た目ノーマル車が多くなっている。ただ、インテリアはシートなどに本革を使用しているので、スリ傷やくたびれ感がないかはチェックしたい。
IS Fのありがちなトラブルを調べてみると、ISのエンジンルームに巨大な5L、V8エンジンを搭載していることもあり、エンジンルームにクリアランスがほとんどない。その結果、ラジエターの裏に大きな2つの電動ファンが装着されている。しかし、この電動ファンの取り付けが振動などによってボルトが緩んでしまうことがある。
また、IS FはISをベースに大きなV8エンジンを搭載するためフロント部を伸ばしている。しっかりと補強はされているものの、やはりハイパワーエンジンによる影響があり、ボディ剛性が不足し、異音やステアリングフィールの悪化が発生するといわれている。
それからスポーツ走行するとトランスミッションオイルの温度が上昇し、オーバーヒートを起こしてしまうと言われている。これを防ぐためにはより硬めで温度上昇に耐えられるオイルを使用することが勧められている。
そして、レクサスIS Fをレンタカーとして貸し出している「おもしろレンタカー」の斎藤氏に尋ねたところ、「ブレーキのローターが大きいので、消耗品であるブレーキパッドは高いですね。そして、20万kmを超えましたがショックを交換した程度でコンディションは上々ですよ。さすがの品質ですね」と応えてくれた。
レクサスが強い意志によって開発したレクサスIS F。その質の高さと高いパフォーマンスは中古車となっても健在のようだ。
新車当時800万円近いレクサスIS Fを200万円で手に入れてそのパフォーマンスを味わう。まさに中古車の醍醐味を味わえる1台だ。
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