クラウン中古車最新事情と戦略 国産セダン1強時代 先代が狙い目??

■走行距離の短い新車同然のモデルも

 まず、アスリートから。先代クラウンアスリートの中古車は約1400台と非常に豊富な流通台数を誇っている。その中で最も流通台数が多いのが約44%を占めている2.5ハイブリッドS。次いで2.5ハイブリッドG、そして特別仕様車の2.5ハイブリッドSブラックスタイルだ。価格帯を見てみると最も多い2.5ハイブリッドSは129万~432万円で、400万円以上のクルマは走行距離が1000km未満という物件となる。

 2.5ハイブリッドSで100万円台の物件は80台で、走行距離は2.3万~21万kmと幅広い。走行距離10万kmオーバーというと不安になるかもしれないが、ゴルフなどで高速道路中心に使用しているクルマならば、走行距離が延びていてもクルマへの負荷は小さい。

 あとはキチンとメンテナンスされているかどうかを整備記録簿などで確認したい。走行距離は少なすぎても、クルマへの影響があるので年1万kmと考えて探すと良いだろう。

14代目クラウンアスリート

 続いてはロイヤル。先代クラウンロイヤルの中古車は約770台流通している。そのうち最も多いグレードはハイブリッド2.5ロイヤルサルーンで約51.1%と半数以上を占めている。

 これに続くのがハイブリッド2.5ロイヤルサルーンG、そして2.5ガソリン車のロイヤルサルーンとなっている。ハイブリッド2.5ロイヤルサルーンの価格帯は109万~420万円で、100万円台の物件は132台流通している。

 走行距離は1.7万~15.9万kmで、100万円台の中古車でも走行距離2万kmという物件が多く、アスリートより走行距離の短いクルマが多いのが特徴だ。

こちらは14代目クラウンのロイヤル。アスリートに比べるとまだおとなしいグリルが特徴

 そして、最後はマジェスタ。先代クラウンマジェスタの中古車は約190台とアスリートやロイヤルと比べるとグンと少ない。後席重視のショーファードリブンと使用されることが多かったようで、後席重視仕様の3.5ハイブリッドFバージョンが約74.3%と圧倒的に多い。次いで多いのは3.5ハイブリッドそして2.5ハイブリッドFourだが、かなり探すのには苦労しそう。3.5ハイブリッドFバージョンの価格帯は159万~470万円と非常に幅広くなっており、100万円台の物件はわずか12台。

 いっぽう400万円以上の高価格車の中には走行距離0.2kmという物件も存在する。走行距離は0.2万km~15万kmと幅広いが、メンテナンスの行き届いた法人車も多いので、そういうクルマであれば、走行距離の多さは気にしなくていいだろう。

実質的なクラウンの最高級グレードだったマジェスタ。昨年15代目にフルモデルチェンジしたことでモデル廃止に

■狙い目はズバリ「ロイヤル」

 こうして、先代クラウン3モデルの中古車事情を見てみたが、中古車として探しやすく、バリュー感が高いのはクラウンロイヤルだ。

 前オーナー像を考えても、メンテナンスはしっかりとディーラーで行っていそうだし、荒い運転をしている可能性もかなり低い。アスリート系と比べると人気がないため、中古車の価格も安めというのもオイシイポイントだ。燃費性能の優れた2.5ハイブリッドのロイヤルサルーンや装備の充実したロイヤルサルーンGを狙ってみたい。

■ライバルは日産フーガ、レクサスGS

 先代クラウンのライバルと言えば、国産車では日産フーガ、レクサスGSが当てはまる。2009年に登場したフーガの中古車の流通台数は約330台で最も多いグレードである250GTの価格帯は約55万~398万円。

2009年登場の日産フーガ。中古車市場では流通台数が少なく値落ちも大きい。乗りつぶすつもりなら狙い目かも

 いっぽう2012年に登場したレクサスGSの中古車の流通台数は240台で、最も多いグレードの250 Iパッケージの価格帯は約128万~約395万円となっている。そして、現行型クラウンの中古車も約130台流通していて、価格帯は380万~830万円。最も多いグレードはハイブリッド2.5RSアドバンスとなっている。

 セダン不振と言われているものの、中古車の流通台数を見ると強いブランド力を誇るクラウンはその影響は少ないようであるし、ライバル車との相場を比較してみてもその強いブランド力によって高い残価率を誇っている。まさに国産高級セダンはクラウン1強という状況なのだ。

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