レクサスは時間はかかったが日本でも高級ブランドとして認知され販売台数も増えてきている。しかし売れているのはSUVばかりで、セダン系は相変わらず苦戦が続いている。
売れてないとなれば気になるのが中古車相場で、新車では手が出ないレクサスのセダンでも中古なら買い得感の高いモデルがあるかもしれない。
レクサスのセダン、IS、GS、LSについて萩原文博氏が中古相場を調査し、買い得なのかどうかを考察する。
文:萩原文博/写真:LEXUS
レクサスは今やSUVメーカー
北米市場での成功をひっさげて、2005年から日本市場で展開をはじめたトヨタのプレミアムブランド、レクサス。導入当初はGS、ISのセダンそしてSCというオープンカーというラインアップだった。
翌2006年にフラッグシップモデルであるLSを投入し、レクサスのセダンラインアップは完成する。その後、レクサスセダン初のFFハイブリッドモデルHSが登場。
2018年にはLSとともに北米でのレクサスブランド確立に貢献したESが登場し、現在セダンは4モデルを用意している。
しかし、レクサスのセールス面における主役はSUVとなっている。レクサスのSUVは国産SUVで唯一1000万円を超えるフラッグシップモデルのLXを筆頭にレクサスの車種の中で最も販売台数が多いRX、僅差でRXを追うコンパクトサイズのNX。
そして2018年にはアーバンSUVを謳った最もコンパクトサイズの唯一UXを追加し4モデルとなった。販売台数もRX、NXそしてUXが主力でセダンではESが健闘している程度だ。
すっかりSUVブランドとなったレクサスだが、ここでは最近元気のないレクサスセダンIS、GS、LS3モデルの中古車事情について調べてみたいと思う。対象とするのはISとGSは現行型。そしてLSは旧型とした。
偏りが激しいLSの中古車
まずは、3モデルの中で2006年と早く登場した旧型LSから。旧型LSは2006年9月に登場。まずは4.6L、V型8気筒エンジンを搭載したLS460と全長5190mmのロングボディを採用したLS460Lが登場。
翌2007年5月に5L、V型8気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載したLS600h、そしてロングホイールベース仕様のLS600h Lが追加された。
2013年にはメジャーチェンジという大幅な改良が施され、現在レクサスのアイコンとなっているスピンドルグリルを採用。またスポーティグレードのFスポーツが追加され、2017年にフルモデルチェンジを行っている。
現在、旧型LSの中古車の流通台数はガソリン車が約820台、ハイブリッド車は約460台となっている。
平均価格の推移を見てみると、ガソリン車は3カ月前が約147万円で、今月は約143万円と約4万円の値落ち、一方のハイブリッド車は3カ月前の約268万円に対して今月は約296万円と約28万円の値上がりと動きが分かれた。
ハイブリッド車の中古車の平均走行距離が減少しており、走行距離の多く価格の安い物件が市場から姿を消したと考えられるが、これほどハッキリとした値上がりを示すのは珍しく、現在ハイブリッドの購入は見送った方がいいかもしれない。
そこで旧型LSは値落ちしているガソリン車に絞って狙い目のグレードを調べてみたい。年式別の流通台数はモデル初期の2006年~2008年式が多く、次いでメジャーチェンジを行った2013年式となる。
そこで、最も流通台数が多い2007年式と2013年式で中古車の価格帯を調べてみた。旧型LSガソリン車の中古車約25%を占めるのが2007年式で、最も流通台数が多いグレードが460バージョンS Iパッケージだ。
中古車の価格帯は約50万~約175万円となっている。これくらい古い年式になるとディーラー車と呼ばれる物件は1台しかなく約146万円と高額となっていない。ボディカラーはパールが人気で高額車にはズラっと並んでいる。
いっぽうのスピンドルグリルを採用した2013年式は後期型になって設定された460Fスポーツが最も多く、価格帯は約270万~約520万円。認定中古車は2台しかなく425万~515万円と高価格帯に入るが、走行距離が少ないため高額となるもうなずける。
ボディカラーはパールとブラックしかないという偏った状況だ。旧型LSのガソリン車では調べた年式ではディーラー系販売店の物件のほうが高いということはなかった。
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