悪いのは「ビッグモーター」だけじゃない 水増し不正請求の実態と中古車業界の闇

■「正直者が馬鹿を見る」を終わりにしよう

 ビッグモーターには今後、国土交通省の立ち入り検査があるだろうし、損害保険会社の管轄である金融庁が動く可能性もある。そしてその先は、板金部門だけでなく、中古車の販売や買い取り、従業員への待遇について調査が及ぶ可能性がある。

 どこまで調査範囲が広く、深まるかは、国民の関心度次第だ。本メディアも含めてぜひ関心を持ち続けてもらいたいし、継続的に話題を追い続けてほしい(編集部注/しょ…承知しました(by編集局長))。

 そのうえで、2023年10月から中古車の販売価格表示が「支払総額」に変わる。

 一部の中古車販売店では、検索サイトなどで表示されている支払総額に加えて、オプションを付けないと購入できないということもあった。今回の改訂で、「本当の乗り出し価格」を表示するよう徹底してもらいたい。

 こうした動きに加えて、大手中古車検索サイトは、今回のビッグモーターのような法律違反を起こした販売店は、速やかに「掲載停止」などのペナルティを科すべきではないだろうか。

 大手販売店から多額の料金が支払われているのは理解している。しかしこういった一部の販売店の行いによって、マジメに商売をしている販売店まで影響が出る可能性も高いからだ。いい加減「正直者が馬鹿を見る」という傾向は終わりにしてもらいたい。

 掲載メディアは販売店だけでなく、ユーザーを第一に考えて、今回の事案に対して速やかな対応をお願いしたい。そしてこれまでマスコミに対して無反応だったビッグモーターが、これを機にどのように変わるのかについても、注視していきたい。

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