■エアロパーツは「フルセット」がお得&絶版に注意
装備品については、中古車買取ではあまり評価されないことが多いのですが、新車時しか装備できないメーカーオプションなどは、付加価値が増す可能性もあります。メーカー純正カーナビや(トヨタ車であれば)モデリスタ製エアロパーツ、アルミホイールなどが評価されやすく、(単品装備ではなく)フル装備のほうがより評価が高いといわれています。予算が許せばフル装備で購入したいところです。
実はボディカラーも重要な要素です。
ボディカラーは利用者の趣向が強く反映する部分ですが、一方で用途にもかかわってくる部分だからです。独身男性なら目立つレッドやイエローなど派手なクルマを買いたくなるかもしれませんが、ファミリーで利用するようなユーザーや商用などで使うユーザーは、目立たない色を好む傾向があります。
特に日本人にはパールホワイトが人気で、続いて黒、シルバーなどのシックな色を好む傾向があます。中古車市場では奇抜なボディーカラーは人気が落ちる傾向にあるようです。
販売終了モデルやモデルチェンジしたクルマは買取価格が安くなる傾向があります。
「買った時には人気車種だったのに……」とぼやくようなことはないようにしたいものです。
ホンダは2021年内にはオデッセイ、レジェンド、クラリティの国内販売終了を発表。今年に入ってからもシャトル、インサイト、CR-Vなどの生産も終了しました。このほか、日産のフーガ、シーマ、スカイラインHVなども今年生産終了となります。売却は生産終了発表前にしたいところです。
ここで「あれ」と思われた読者の方もいらっしゃるんじゃないですか。販売終了しても中古市場での価格がそれほど下がっていないクルマもあるんじゃないかと。
そうです。中古車というのは「ナマモノ」といわれるくらい、時間と共にその価値が劣化するものなのですが、最近の中古車市場は必ずしもそうなっていないのです。
その理由はいくつかありますが、円安による海外での需要拡大と半導体不足や上海のロックダウンなどで国内の新車の大幅な生産遅延が起こり、中古市場にも販売するためのクルマが不足しているのです。だからこれまで強い人気を誇ってきたクルマは今後生産停止になったとしてもしばらくは高値が続く状況にあるわけです。
さらに中古車業界の事情通は次のような事情についても教えてくれました。
「モデルチェンジで発売される新型車も、最近では『出る出る詐欺』のようになっており、発売が次々に延期になっています。以前のようにモデルチェンジが決まっても明確に価格が低下するような状況ではなくなっていると思います」
しかしこうした状況がずっと続くわけではありません。
大手中古車関連企業の社長は「もちろんこうした状況が続くのは限定的。それでもだいたい3年ぐらいの間は続くのではないか」と話していました。5年後にクルマを売却することを考えると選択枝には入れにくいものであるといえるのではないでしょうか。
■「残価率」で5年後の人気がわかる
そして最後に注目したいのが残価設定ローンの残価率です。
「残価設定ローン」は、クルマの販売店に購入してもらうことを前提に、下取り価格を差し引いた金額でクルマを購入できるシステムですが、残価率は3年後、5年後の下取り価格を予想したもので、リセールバリューを判断するするための重要な指標になります。
大手クルマメーカーで残価率が圧倒的に高いと言われているのが業界最大手のトヨタです。クラウン、アルファード、ハリアー、プリウスなどには中古市場でも根強い人気があります。
まずはクラウン。1955年から67年間にわたって高級車として生産・販売されてきたトヨタの看板車種で、リセールバリューも高い車種として知られています。
ただ2022年7月にフルモデルチェンジすることが発表され、今秋から2023年にかけて新たに4車種が発売されることになりました。リセールバリューでは大きな期待を寄せることができるクルマです。
また、トヨタの最上級ミニバン「アルファード」は新車、中古ともに人気が安定しています。しかし半導体不足などの理由でオーダーストップがかかっているようです。SUVの「ハリアー」や「ランドクルーザー」、セダンの「プリウス」もオーダーストップし手に入りにくくなっています。
さらにこうしたクルマの中には近い将来モデルチェンジも予定されています。来年にはランドクルーザープラド、アルファードもフルモデルチェンジが予定されているといわれています。こうした人気車も、大きなモデルチェンジがあると大幅に中古価格が下落する恐れもありますから、モデルチェンジを待って新車を購入することをお勧めします。
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