街を見てもどこもかしこもSUVが走っている今日この頃。どの自動車メーカーもSUVを出し続けているし、行き着く先はいったいどこまで続くのか!?
そんなSUVブーム、かれこれ10年ほど続いているがそろそろ次のブームがやってくるかもしれない!? ということでベストカーが6人の論客に次なるブームを聞いてみました。
いったいどうなる、SUVブーム!?
文:ベストカー編集部 写真:ベストカー編集部
■ブームはいつか終わるもの!! SUVブームのあとはどうなる?
SUVブームはもう10年以上続くクルマ界きっての大ブーム。今ではベントレー、マセラティ、ランボルギーニといった高級ブランドも参入し、まだまだその勢いはとどまるところを知らないようだ。
しか~し、世の中、ブームが永遠に続かないのは歴史が証明している。ミニスカブームは去り、なめ猫ブームも去り、イカ天ブームも去っていったようにブームには必ず終焉が待っている。
ならば、今のSUVブームも終わりがやって来るだろう。するとどうだ。儲け口を失った自動車メーカーは売り上げ激減、アッという間に内部留保を使い果たし、挙げ句の果ては従業員をリストラ。
さらにディーラー店舗閉鎖と悲しい未来が待っている。そうなると自動車雑誌の部数も激減。本誌のスタッフもリストラを免れない(ヒェ~!)。
そんなことにならないように、ベストカーが今こそ立ち上がる。SUVブームの次に来るビッグウェイブははたしてなにか? いつもお世話になっている6人の評論家に聞いてみた。さぁ、見ていきましょう!!
■6人の論客の意見はいかに!?
【清水草一編】オレはその頃は免許返納して自動運転だね!!
SUVはアメリカ生まれ。もともとのベースはピックアップトラック。でもまだピックアップトラックの世界的ブームは来ていない。
まだ来てないものはいつか来るはず。だから次のブームはピックアップトラック! ……つーことはないだろうなヤッパシ。ああいう荷台は雨が降ったらズブ濡れなので、雨の多い国で主役になるのはちょっとムリ。
で、あくまで図上演習ですが、今中国でシェア自転車が大ブームでもあるし、いずれはクルマも買うものではなくシェアするもの、という常識がいつかは来るはず。シェアリングとなれば必要最小限でイイ。乗用車の平均乗車人数は二人未満。
つまりですね、次のブームは、二人乗りの自動運転EVだす! つってもまぁ、それが来るのは20年後くらいかな~。私はそん時75歳。そろそろ免許も返納か。まさにドンピシャのタイミング! それで行ってみよう!
【国沢光宏編】同じジャンルがたくさん売れることはない
次のブームがナニか正確に予想できたらシコシコ1文字10円の原稿書いて暮らす自動車ヒョウロンカなどやっていない。キーボードで株の売買しながら遊んで過ごします。ということで結論から書くとサッパリわからない。
ただ日本人の生活は多様化している。ひと昔前のように同じジャンルがたくさん売れるような状況にはならないと思う。ということから考えると、各ジャンルのダントツモデルだけ売れると予想します。
大ざっぱなジャンルは9つ。100万円級の軽自動車と付加価値のある150万円級の軽自動車。小型ミニバン。中型ミニバン。大型ミニバン。小型SUV。中型SUV。コンパクトカー。Cセグのハイブリッド車といったイメージ。
ここで飛び抜けた商品力や魅力を持つモデルの上位1~2車種が売れるということ。レベルの低いクルマがカテゴリーでの人気に乗って売れるような時代は、もう来ないと私は考えている。
【谷山雪編】おっさんたちにデートカーブーム再来だ
乗ってよしでイメージもよし、そして最近は燃費もわりとよしということで、SUVブームはまだしばらく続くはず。
しかし団塊世代が後期高齢者となる2025年頃にはさすがに別のブームが到来する。それはズバリ〝第二次デートカーブーム〟だ。少子高齢化により、若年層向け車種はメーカーが笛吹けど市場は踊らず。
そのいっぽうで、相変わらずクルマが大好きで、子育ても終わってヒマな中高年男性が「よく考えたらSUVの広い後席とかミニバンの3列目シートっていらないよね」と気づき、小ぶりなクルマへと回帰する。
そしてその際、今さら古女房と小型車に乗っても盛り上がらないので、彼ら中高年男性は若き日の”デートカー幻想”を今一度追い求める。
「コレに乗れば、40歳前後の(彼らから見れば)ピチピチの女性と不倫温泉旅行ができるのでは?」との思惑から、ややスポーティな中型2+2クーペが売れまくるだろう。
【片岡英明編】4ドアクーペがまた流行る
日本が1990年代に発信した乗用車ベースのクロスオーバーSUVは、10年ほど遅れて世界の主役にのし上がった。今はコンパクトクラスからプレミアムクラスまでSUVが揃っている。このブームはしばらく続くだろう。
静かなブームになりそうなのは、日本でバブル期に流行った4ドアクーペ風のセダンだ。当時は後席が狭いと酷評されたが、今は3ナンバーのワイドボディだから後席も広くできる。
ヨーロッパでは6ライトウィンドウの4ドアクーペが増えてきた。BMWの6シリーズに設定のグランツーリスモやベンツGLCのクーペはその代表だ。フォルクスワーゲンもアルテオンを発売した。
また、アウディのコンセプトカー、イレーンも4ドアクーペといえるデザインである。日本でもレクサスLSや新型クラウンはクーペ風のフォルムだ。メカでは電動化に本腰を入れ、コネクテッド技術や自動運転技術も積極的に盛り込む。
【渡辺陽一郎編】エコな輸入車がこれから売れるぞ!!
今はSUVの販売が好調だが、’80~’90年代のオフロードSUVブームとは違う。前輪駆動ベースのシティ派で、ボディの上側や車内の造りはワゴンやハッチバックに準じる。
安全で便利なインプレッサスポーツに、大径タイヤを履かせてちょっとカッコよくしたXVが好調に売れる。
これが今のSUVの本質で、実用性と趣味性の両立が人気を呼んだ。要は実用車の発展型だから、以前のオフロードSUVと違って小回り性能や燃費が悪化せず価格も手頃だ。そのわりに外観はカッコよく、買い得だから今後も売れる。
問題は次のブームだが、セダンとクーペは古くワゴンは車種が激減した。ピックアップも無理だ。従って現状維持で軽自動車、コンパクトカー&ハッチバック、ミニバン、SUVが売れ筋だが、新しい傾向では輸入車比率が高まる。
VWはアルテオンに続いてディーゼル搭載車を増やし、ほかのブランドもプラグインハイブリッドなどを割安に輸入する。今後はエコカー減税が免税になるエコな輸入車の充実に注目したい。
【鈴木直也編】どうやってもやってくるEVブーム!?
SUVの次のブームといったら、そりゃもうEVしかないでしょう。だって、世界各地のモーターショーで、世界中のメーカーがEVのコンセプトカーを競って出品してるし、新聞やテレビでもみんな「もうすぐEVの時代が来る!」って言ってますよ。
「そんな簡単にEVの時代は来ない!」なんて言ってるのは、一部のアタマの固い自動車ジャーナリストくらいですよ。
しかも、カリフォルニアのZEV法規制や中国のNEV法規制など、政府による強制的な販売奨励策もあるわけだし。これでブームにならなかったらオカシイじゃない。
でもさぁ、これだけ煽っておいて、ユーザーがついてこなかったら大変だよね。環境規制で無理やりEVを発売しても、お客さんが買わなければ値崩れして大赤字になる。
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