ハイブリッドカー全盛期 といえる昨今、各メーカーはそこからさらにPHVやEVの開発に力を注いでいます。もはや環境性能の向上を抜きにしては新型パワーユニットを語れない時代。
しかしそんな現代だからこそ、「いいエンジン」を知っておきたい、という気持ちも芽生えたりします。ただただ走行性能を高めるために追加されたターボユニット、そのエンジンが生み出したクルマはどんな走行性能だったのか。
環境第一の今だからこそ知りたい「歴代いいターボエンジン5選」をお届けします。クルマの楽しさって、やっぱり「走った時の気持ちよさ、楽しさ」が大きいと思うんです。
その気持ちよさ、楽しさで選んだ「ターボエンジン」って、やっぱり知りたいですよね! ね!
文:片岡英明
■ 1機種を除いて、進化の止まった絶版機をセレクト
1979年秋、日産がL20型直列6気筒エンジンに日本で初めてターボチャージャーを装着し、限られた排気量のなかで余裕ある動力性能を実現した。
日本には2Lを上限とする小型車枠があるから、これ以降、ターボを搭載するクルマが一気に増えている。
徐々に小排気量エンジンにまでターボが採用されるようになり、軽自動車もターボが百花繚乱となった。また、ディーゼルエンジンやロータリーエンジンにもターボを搭載するようになった。
そんな歴史を振り返り、日本車史上、傑作といえるターボエンジンを5ユニット、その代表的搭載車とともに選んだ。
今でも第一線で活躍している現役のエンジンは、今後も進化、発展が期待できる。そのため、本企画ではあえて絶版となったエンジンを基本に「名機」を選んだ。
ただし、スバルのEJ型水平対向4気筒エンジンのターボ仕様は30年にわたって第一線で活躍を続けているので、絶版になるのを待たないで5ベストの1機に選んでいる。また、車格、排気量、クラスごとに分類し、小排気量エンジンにもチャンスを与えた。
■日産 RB26DETT/ R32 スカイラインGT-R
2568ccの直列6気筒DOHC4バルブエンジンに、セラミックタービン採用のツインターボを組み合わせているのがRB26DETT型ターボエンジンだ。ご存じのようにR32型スカイラインのフラッグシップ、GT-Rに搭載されて1989年夏にデビューした。2568ccの排気量は、グループAレースから導き出されたものだ。RB20系のエンジンだが、ほとんどが専用設計となっている。
過酷なレースでの使用に耐えられるようにシリンダーブロックなどを補強し、ラッシュアジャスターも省いてしまった。6連スロットルチャンバーや各気筒独立のシーケンシャル電子制御燃料噴射システムなど、最先端のメカニズムも導入している。
ツインターボはムラなく高回転域まで軽やかに回り、レスポンスも鋭い。ターボが本格過給に入る4000回転から上の加速は刺激的だ。また、直列6気筒ならではの滑らかなパワーフィールと官能的なエンジン音も魅力のひとつに挙げられる。
押しも押されもせぬ、日本車史上に燦然と輝く金字塔的なターボエンジンだ。
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