■マツダ 13B-REW/FDS3 RX-7
2ローターのロータリーエンジンを世界で初めて実用化したのがマツダだ。その主役となっているのが1973年12月に登場した13B型2ローターロータリーである。
ルーチェ・グランツーリスモに搭載され、その後はコスモAPなどに搭載された。
RX-7は1985年秋にデビューした2代目のFC3S型から13B型ターボを積んでいる。91年秋に登場した3代目のFD3S型アンフィニRX-7が積むのは、進化版の13B-REW型シーケンシャルツインターボだった。
特性の異なる2基のターボを組み合わせ、低回転域ではレスポンスの鋭い小型のプライマリーターボを、高回転域を受け持つセカンダリー側には通気抵抗の少ないハイフロータイプのターボを採用し、これを回す。
電子制御燃料噴射装置の採用と相まって、段付きのないスムーズな加速を実現し、冴えた加速を見せつけた。ウルトラハイフロータービンブレートを採用し、最終モデルでは280psを達成した。
今乗ってもうっとりするような切れ味を持つエンジンだ。
■スバル EJ20/歴代インプレッサWRX STIほか
2Lクラスの4気筒ターボエンジンには名機が多い。モータースポーツで使うことを想定しているため、実力派のターボエンジンが多いのである。
三菱のランサーエボリューションが積んだ4G63型、シビックタイプRのK20C型、パルサーGTi-RのSR20DET型、セリカGT-Fourの3S-GTE型などは、それぞれに熱狂的なファンが多い。が、その中でも1989年にデビューし、30年にわたって第一線で活躍を続けているスバルのEJ20型水平対向4気筒ターボエンジンに半歩のリードがあると思う。
EJ20型水平対向4気筒ターボの素晴らしいところは、NAエンジン並みにレスポンスが鋭く、高回転の伸びもいいことである。
その気になれば7500回転まで引っ張ることが可能だ。しかもターボだからパワフルで、弾けるようなパンチ力も秘めている。
WRC(世界ラリー選手権)を席巻したことから分かるように、トルクの出方も絶妙だ。また、操る楽しみがあるだけでなく、独特のエンジン音にも魅せられる。
■トヨタ4E-FTE/EP81スターレット
1980年代を代表するボーイズレーサーが、トヨタのスターレットとホンダのシティだ。なかでもスターレットは、ヴィッツにその主役の座を譲るまで、痛快な走りのターボ搭載車を設定していた。
FFホットハッチのEP71型とその後継のEP82型にターボ搭載車を設定しているが、どちらも加速は強烈だ。エントリーモデルのためオーナーは若者が多い。が、ターボ車はじゃじゃ馬だから運転スキルがないとパワーとトルクを持て余す。そこでブースト圧を2段に変えられるスイッチを設けている。
多くのスターレットターボのなかでも史上最強と言えるのが、1989年に登場したEP82型スターレットGTターボだろう。
1331ccの4E-FTE型直列4気筒DOHCインタークーラーターボは燃費を意識したハイメカツインカムだが、7000回転のレッドゾーンまで無理なく使い切ることができる。
FF車だから発進時に簡単にホイールスピンし、それを強引に加速さるパワフルなエンジンだった。
■三菱 3G81/H42A ミニカダンガンZZ
軽自動車のターボエンジンにも強い印象を残した名機が少なくない。その最初の作品は1987年2月に登場したアルトワークスだろう。
だが、2年足らずでワークスを凌ぐ高性能ベビーギャングが現れる。
三菱が1989年1月に送り出したミニカの最強バージョン、ダンガンZZだ。心臓は直列3気筒DOHCにインタークーラーターボの組み合わせだが、吸・排気系は量産車初の5バルブ方式だった。
この3G81型エンジンはレーシングエンジン並みに高回転が元気だった。
タコメーターの針が面白いように跳ね、パワーも顔が引きつるほど出ている。ただし、細いタイヤに高い重心だから、これ以上ないほどのじゃじゃ馬だった。そこで夏にハイドロカップリングをセンターデフに使ったフルタイム4WDのZZ-4が登場している。
1990年春に規格改正があり、ミニカダンガンZZは夏に排気量660ccの3G83型エンジンに換装した。このエンジンはトルクが分厚く、高回転までストレスなく回る。加速も驚くほど強烈だった。
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