30年前、「コンパクトでカッコいいFRクーペ」といえば、真っ先に浮かぶのが、日産シルビアだった。
今でも、30代から40代のクルマ好きや海外のスポーツカーファンの間ではシルビアの人気は高く、中古車業界では高額で取引されている。
これほどまでに愛されているクルマシルビアとは、何が凄かったのだろうか。
文:吉川賢一、写真:日産、ベストカー編集部
S15型シルビアの特徴は?
FRレイアウトのスペシャリティカーであったシルビアは、7世代あるうちのどの側面を切り取っても面白いのだが、今回は筆者の記憶に色濃く残る7代目のS15型シルビアについて、その魅力を振り返ってみよう。
ボディサイズを大型化したことで不人気となった6代目シルビアの反省から、5ナンバー枠へダウンサイジングして1999年1月に登場したのが、7代目のS15型シルビアだ。
NAモデルがスペックS、ターボモデルはスペックRと名付けられ登場した。スペックS のSR20DEは、2.0リットル直列4気筒NAエンジンで165ps/19.6kgfm、5MTであった。
また、スペックR用のSR20DETは、2.0リットル直列4気筒ターボエンジンで250ps/28.0kgfm、6MT。AT仕様も用意されたが、販売の主力としては、スポーツカーテイストの溢れるマニュアルトランスミッションの方だった。
インテリアには、運転席側のAピラーにターボのブースト計(※NAは油圧計)が設置され、走りの雰囲気を盛り上げるのに貢献していた。
後席はエマージェンシー時の乗員用として、くぼみの付いたクッションが備わってはいたが、まったく実用的ではなく、荷物置き場と化すか、チューニング車ではもれなく外されてしまうシートだった。
6代目シルビアの失敗をうけ、大刷新して登場したS15型シルビアだったが、時代はコンパクトカーやミニバンが大流行を始めた時代でもあり、コアなファンにはヒットしていたものの人気が再び復活することはなかった。
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