【スクープ】2025年新型PCXはフルモデルチェンジしてミラノショーでデビュー!? 5代目を前に歴代を振り返る

【スクープ】2025年新型PCXはフルモデルチェンジしてミラノショーでデビュー!? 5代目を前に歴代を振り返る

 4代目に当たる現行のPCXが登場したのは2020年のことで、3〜4年サイクルでモデルチェンジを行なっているPCXにはそろそろ新型の噂が立ち始めている。現時点で詳細は不明だが、4バルブエンジンやハイブリッド、そしてEVまでラインナップしたPCXは次にどんな一手を打ってくるのだろうか?

スクーターの新しい扉を開いた初代モデル

 2009年の東京モーターショーで発表された初代PCXはタイ・ホンダ・マニュファクチュアリング・カンパニー・リミテッドで生産されるスクーターで、日本では125と150の二本立てで翌年から販売が開始された。

 2mアンダーのコンパクトな車体に、走行安定を高めるための14インチホイールを組み合わせたPCXは、150であれば高速道路も走ることができる、ある意味画期的なスクーターであった。さらにシート下には25Lのメットインスペースが設けられ、給油口やシートのオープンをスイッチ式にするなどワンランク上とも言える装備が与えられているのも魅力的であった。そして、スクーターブーム時代に進化したデザインの流れを汲んだ美しいボディワークを持ちつつ実用面も充実させたPCXは、若者からビジネスユーザー、果てはリターンライダーにまで響くモデルとして大ヒットすることになった。

 エンジンは水冷4ストロークSOHC2バルブで、アドリンクストップ機構や125ccクラススクーターとしては初搭載となるスターターモーターと交流発電機が一体化されたACGスターターを採用するなど先進性な装備が与えられていた。

 初代PCXは、それ以前に人気の高かった250ccクラスの一大ブームが去ったスクーター業界において、新たな道筋を作り出したモデルであったと言って良いだろう。

 

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スクーターらしい軽快さと、スポーティなデザイン、そして14インチホイールが新しいスクーターの世界を開いた。

 

 

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高速道路にも乗れる150の存在は、PCXというスクーターの価値を確実に高めたと言える。

 

 
 
 

キープコンセプトで各部を煮詰めた2代目

 2014年にデビューした2代目PCXからは、ホンダ・ベトナム・カンパニー・リミテッドへと生産拠点が移管されている。2代目PCXは灯火類を全てLED化し、ボディデザインも初代モデルのイメージを踏襲しつつリニューアルされた。

 燃料タンクの容量が8.0Lへと増量されたことで航続距離が伸びており、これは高速走行のできる150にとっては非常に喜ばしい変更であった。シートを開閉する際に途中で止められるストッパーや、グローブボックスの中にアクセサリー電源ソケットを設けるなど実用性の向上も図られている。

 エンジンは初代ベースに改良されたもので、スペックに関しても大きく変更はされていない。また、フレームも初代のアンダーボーンタイプを継承し、ホイールやブレーキにも大きな変更は見られない。

 

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2代目モデルは初代のコンセプトをキープしつつ、各部の質感を高めることでさらに高級感をプラスした。

 

 

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フューエルタンクの容量が8.0Lへと拡大されたことは、高速道路を走る150ユーザーにとって朗報であった。

 

ハイブリッドとEVを追加した3代目

 3代目は2017年東京モーターショーでデビューした、量産型のバイクとしては初のハイブリッドパワーユニットを搭載した「PCX HYBRID」と、完全EVの「PCX ELECTRIC」がラインナップに加わることになる。

 3代目はフレーム形状が従来のアンダーボンタイプからダブルクレードルタイプへと変更され、エンジンにも大きく手が入れられた。特に150のエンジンははそれまでのボア×ストローク58.0×57.9mmから57.3×57.9mmへと変更され、排気量は152ccから149ccへとダウンしている。

 PCX HYBRIDは124ccのガソリンエンジンにACGスターター兼アシストモーターを組み合わせ、4000rpm時で約33%、5000rpm時で約22%のトルク向上を果たしている。モーターによるエンジンへのアシストは、スロットル操作によるアシスト開始から約3秒間行なわれるようになっており、その後1秒かけて徐々にアシスト量を減らすことで自然な走行フィーリングを生んでいる。

 PCX ELECTRICは定格出力0.98kW(最大4.2kW)の電動モーターを搭載した原付2種モデルで、18N・mというトルクの高さによって力強い発進加速を得ている。ただし、企業や個人事業主向けのリース販売という特殊な販売方式を取っており、EVコミューターの社会実験的意味を持たされたモデルであったと言えるだろう。

 

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3代目モデル最大トピックは、アンダーボーンフレームからダブルクレードルフレームに変更されたことだろう。

 

 

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3代目ではエンジンも新しくなり、150はボアダウンしたことで152ccから149ccへと排気量もダウンしている。

 

 

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3代目のラインナップに加わったPCX HYBRIDは、モーターのアシストによって発進時の加速力が向上している。

 

 

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PCX HYBRIDは、エンジン指導用のACGスターターがアシストモーターを兼ねている。

 

 

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完全EVとなる「PCX ELECTRIC」は最大トルクが18N・mとシリーズ最強となり、発進加速の力強さが特徴だ。

 

 

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ガソリンの代わりに脱着可能なバッテリーを2個搭載し、その伝達の多くはワイヤーを通して行なわれる。

 

新エンジンでユーロ5に対応した4代目

 2021年にデビューした4代目は、フレームエンジン共に大幅に変更され、ハイブリッドモデルは「PCX e:HEV」と名称も変更された。

 4代目には環境性能の高い4バルブのeSP+エンジンを搭載してユーロ5排出ガス規制に対応し、それまでの150はエンジンの排気量が156ccにアップされたのに合わせて「PCX 160」に変更された。

 フレームは新設計されたダブルクレードルタイプで、3代目のフレームに比べて剛性をアップしつつ軽量化されている。ホイールサイズは乗り心地を改良するためにリアを13インチ化、サスペンションも初期から柔らかく動く設定に変更されている。ブレーキはフロントにはABSが装備され、それまでドラムだったリアはディスク化されている。また、オンオフの切り替えができるホンダセレクタブルトルクコントロールを装備し、安全性能が大幅に向上している。

 PCX e:HEVはACGスターター兼アシストモーターが発進加速などをアシストするという基本システムをPCX ハイブリッドから継承しつつ、エンジンを新しい4バルブに変更している。しかし、このPCX e:HEVは2022年に生産中止となっており、価格を含めた二輪におけるハイブリッドモデルの難しさを感じさせた。

 

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4代目はユーロ5対応の4バルブのeSP+エンジンを搭載。フレームも完全新設計となっている。

 

 

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PCX150は排気量156ccの新型エンジンを得て、「PCX 160」へとフルモデルチェンジした。

 

 

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3代目と4代目のフレームの比較。同じダブルクレードルではあるが、形状き完全に変更されて軽量化された。

 

 

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完全新設計の4バルブエンジンは、排出ガス規制をクリアしつつパワーアップも図られた。

 

 

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ハイブリッドモデルは「PCX e:HEV」へと名称変更されたが、ACGスターターがアシストモーターを兼ねるという基本機構は踏襲している。

 

5代目はフルモデルチェンジ!?

 タイやインドネシアなどのアジア圏では、125ccクラスのスクーターが実用だけではなく若者のファッションアイテムとしても高い人気があり、各メーカーが力を入れているジャンルである。PCX以外にもヤマハのNMAXなどが人気があり、NMAXの高性能バージョンである「NMAXターボ」を発売するなど、スポーティなモデルの人気が高い。

 また、ヨーロッパにおいてもイギリスやフランスなどで販売されており、PCXはグローバルモデルとして成功していると言えるだろう。ただし、現行モデルはユーロ5+排出ガス規制に対応しておらず、ヨーロッパでの販売を続けるためには少なくともユーロ5+排出ガス規制に対応させる必要がある。

 5代目となるPCXはフルモデルチェンジというウワサだが、デザインは歴代のコンセプトを維持した上でより上質なものが採用されることになるだろう。フレームには毎回力の入った変更が行なわれているので、新型になる可能性がある。パワーユニットは現行のeSP+エンジンをベースに、セッティングの変更でユーロ5+に対応することができるばずだが、若干パワーダウンを避けるために可変バルブタイミングなどの機構導入などを期待したい。

 問題はハイブリッドモデルであり、先代はノーマルに対して10万円近く高価であった。しかし、ヤマハがハイブリッドモデルをかなり低価格で販売している以上、価格も含めて対抗できるモデルを用意しない訳にはいかないはずだ。もしかしたら、純ガソリンモデルからハイブリッドを主軸とし、排出ガス規制によってダウンするであろうパワーをモーターで補うという方法を取るかもしれない。

 また、ホンダのバイクEV計画に則って、今度は「PCX e:」がラインナップされる可能性もあるだろう。前モデルから5年が経ち、国内やアジアではバッテリーインフラが整備されつつある。ヤマハへのOEM供給が発表されるなど、原付一種相当のEVの開発は精力的に行なわれているだけに、今度は一般向けのモデルが用意されることも期待したい。

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