EV(電気自動車)の普及が想定より進んでいない現在、既存の内燃エンジンと電動モーターを組み合わせたハイブリッド(HV)やその派生になるPHEVが注目されている。では、実際にはどちらを選べばいいのか?
文/長谷川 敦、写真/スズキ、トヨタ、日産、写真AC、CarsWp.com
【画像ギャラリー】ハイブリッド or PHEVどっちを選ぶ?(15枚)画像ギャラリー■HVとPHEVは何が違う?
長い間クルマの動力はガソリンをはじめとした燃料を燃やす内燃エンジンが主流だったが、この内燃エンジンには貴重な化石燃料の大量消費や排気ガスなどの問題があった。
こうした問題を緩和するために誕生したのが、内燃エンジンと電気による動力を組み合わせたハイブリッドだ。
世界初の量産型ハイブリッドカーのトヨタ プリウスは1997年に市販が開始されると、特に燃費性能の高さを武器に徐々にシェアを広げ、現在のハイブリッドカー隆盛の礎になった。
初期のハイブリッドカー(HV)の主要動力は内燃エンジンであり、電動モーターの動力は発進時と全開走行の際に用いられた。
電動モーターに電力を供給するバッテリーの充電は、内燃エンジンの出力の一部と減速時のエネルギー回生によって行われる。
充電を内燃エンジンとエネルギー回生で行うHVに対し、外部電源からの充電も行えるようにしたのがPHEVだ。
PHEVとは「Plug-in Hybrid Electric Vehicle」の略であり、Plug-inは充電時の外部電源との接続を意味している。
なお、PHEVのことをPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)と呼ぶこともあるが、基本的には同じシステムのクルマを指し、メーカーによって呼称が異なっている。
PHEVの国産量産第一号もトヨタのプリウスで、2009年にまずはリース形式で登場し、その後は通常販売に以降となり、現在ではトヨタ以外のメーカーからも多数のPHEV車が販売されている。
HVに比べてPHEVはバッテリーを大型化することができ、電動モーターでの走行距離が延長された。
これによって近場への買い物などはほぼ電動のみでの走行が可能となるため、燃料代の節約に貢献する。
【画像ギャラリー】ハイブリッド or PHEVどっちを選ぶ?(15枚)画像ギャラリー■HVのメリットはどこにある?
大きなくくりでいうハイブリッドカーでは最も長い歴史を持つHVのメリットは、燃料を入れればすぐに走れてバッテリーも充電されること。
もちろん、PHEVでもバッテリー残量がなくなった場合にエンジン動力の一部や回生エネルギーを使った充電が行われるが、本来の能力を発揮させるには外部電源による充電が必要になる。
PHEVに比べればHVのバッテリーは軽く、これは車体全体の重量を抑えることにもつながり、車体各部への負担も少なくなる。
同じ車種の新車であれば、通常はHVのほうがPHEVより購入価格が低いというのもメリット。
HVのデメリットは、主な動力を内燃エンジンに頼り、電動モーターをあくまで補助用にしているためPHEVに比べれば燃料消費量が多くなることだ。
とはいえ、内燃エンジンのみのクルマと比較すれば圧倒的に優れた燃費性能を実現している。
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コメント
コメントの使い方戸建てで充電ポスト立てれるならPHEVですよ。
そうでないならHV。
この判断で間違いないと思う。
給油はやはり面倒。かといって、EVのように出先で無駄としか言えない充電時間を要求するものはマヌケでイケてない。
現状の最適解はPHEVで、諸事情により選べない場合にHVに乗るわけです。
強いブランド志向で高価な輸入車も売れる自動車経済
この際、経済性はそれほど影響ないでしょう。
で、車の性能面(快適性を含む)で考えれば、phevが、現時点では最適解ではないでしょうか。
もちろん、将来、置くだけ充電のような走るだけ道路充電や高性能気象充電ができるようになれば、evが究極の自動車となるでしょうね。
鉄道の殆どが高率の良い電車一色になったように。
内容が、トヨタ内のHVとPHEV比較という印象を受けました。
HVは各社様々に特徴があり、記事で言及されてる大幅な燃費向上は、トヨタ式・ホンダ式のみであり、他は海外メーカー含めて燃費では買えません。
ですから記事の価値観で言うと、トヨタ・ホンダ以外ならPHEV一択(HVにアシスト感や贅沢感など燃費以外の魅力を重視してるならHVもあり)、その二社なら記事の通り選択の自由があるという感じですね。