いくら希代の名車でも、すべての人が「満点」をつけるとは限らない。感じかたは十人十色。だから評論家それぞれの意見が聞きたくなるのだ。ここでは2024年9月に追加されたホンダ シビックRSを3人の自動車評論家に評価していただいた。
※本稿は2024年11月のものです
文:片岡英明、小沢コージ、橋本洋平/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年12月26日号
■6MT+VTECターボの軽やかで“爽快”な走りを楽しむ
2024年初めの東京オートサロンでお披露目され、大注目を集めたシビックRSは、9月12日にシビック全体のマイナーチェンジに合わせてついに発売となった。
バリエーションは、純ガソリンの直4VTECターボに6速マニュアルトランスミッションの1タイプのみ。タイプRとは異なる次元の魅力を持った痛快なスポーツセダンに仕上げられている。
本誌では、9月10日号にて松田秀士氏が発売前のプロトタイプに試乗。MTのシフトストロークやクラッチの踏み込み量の設定、足回りのチューニングのよさなどを高評価した。
今回はいよいよ発売となったRSの市販モデルを、片岡英明氏、小沢コージ氏、橋本洋平氏の3人に評価していただく。
●ホンダ シビックRS
・全長×全幅×全高:4560×1800×1410mm
・ホイールベース:2735mm
・車両重量:1350kg
・パワーユニット:1.5L、直4DOHCターボ
・最大出力:182ps/6000rpm
・最大トルク:24.5kgm/1700-4500rpm
・WLTCモード燃費:15.3km/L
・価格:419万8700円
■片岡英明氏の評価「“ロードセーリング”の名にふさわしい上質なスポーツセダン」
街なかの走りでもロードセーリング(RS)の名にふさわしい上質なスポーツセダンに仕立てられていることがわかる。
気に入ったのはハンドリングだ。FF車であることを意識させられるEXとLXより操舵の洗練度は高く、狙ったラインに正確に乗せることができる。運転すると、軽やかな身のこなしとスッキリとした回頭フィールが心地よい。
ロールを抑えた一体感のある走りに加え、カドが取れた乗り心地も高評価のポイントのひとつ。引き締まっているのだが、低速域から足の動きがよく、路面からのショックを上手に受け流す。安心感を増したブレーキフィールと高い制動能力も魅力だ。
心臓はEXなどと同じ1.5Lの直列4気筒DOHCターボだが、スポーツモードでは刺激的な走りを、ノーマルモードでは自然体で余裕の走りを楽しめた。
今までと違うのは、軽量フライホイールを採用して応答レスポンスを向上させるとともに、回転落ちの悪さを解消したことだ。アクセルを戻した時の回転落ちがよくなったから、クラッチミートしやすい。軽いペダル踏力と相まって小気味よく6速MTを操ることができる。
シフトダウン時に回転合わせを自動で行ってくれるレブマッチシステムの採用もうれしい。これでもう少し安いか、外観の差別化が大きければ言うことなしだが……。
●POINT採点チェック
・ハンドリング:8.5点
・加速性能:8点
・ブレーキ性能:8点
・運転の楽しさ:8.5点
・乗り心地:8点
・コストパフォーマンス:7.5点
コメント
コメントの使い方価格度外視なら優秀なFFミドル5ドアセダンだということは、多くが認める事だと思います。
一番重要な、差額に対する中身の差に説得力があるのかという点が、文章化されてないのだけ残念でした。
コスパ評は軒並み低いので、そこから察してくれということでしょうか