■小沢コージ氏の評価「違いにビックリ!! 街なかが楽しい最適なスポーティグレード」
新型RS、最初に気になったのは、既存スポーツグレードたるタイプRとの位置関係と価格だった。
車両価格419万円は結構な金額だが、内装質感はLXに準じていてステッチや色が専用になったくらい。エンジンも普及版の1.5L直4ターボだし、RS専用チューンと言えば5mm低められたサスペンションぐらい。本当にそうだったら正直割高だなと思った。
ところが試乗会で乗ってビックリ。予想以上に手が加えられているのだ。
エンジン回りではフライホイール軽量化、サスはバネダンパーだけでなくブッシュも新作。専用ステアリング、専用ドライブモード(スポーツ、インディビジュアル)、専用ブレーキはインチ上げ、タイプRに続き投入されたレブマッチシステムは回転落ちの面で進化もしている。
なにより乗ってみると乗り心地とハンドリングのバランスがちょうどいい。足は硬めだが、ステアリングフィールはいいし、乗り心地も良好。専用6MTもスパスパ決まる。さほど速くないなと思っていたパワーユニットも182ps、24.5kgmはほどよいレベル。これぞ街中最適スポーティグレード。
聞けば国内ではバブル育ちの父と息子が共同購入する例が多く、マイチェンシビックの約7割がRSとか。タイプRではヤリ過ぎと考える走り好きシビックファンには最適とみた。
●POINT採点チェック
・ハンドリング:8点
・加速性能:7点
・ブレーキ性能:7点
・運転の楽しさ:8点
・乗り心地:6点
・コストパフォーマンス:5点
■橋本洋平氏の評価「回転落ちの鈍さはまだ残るが、ほどよく走るのにちょうどいい仕立て」
日本専用モデルとして登場したシビックRSは、往年のファンからすれば感動の復活劇かもしれないが、リアル世代ではない自分としては、実のところ中途半端な立ち位置に感じていた。
上にタイプRが存在する一方で、e:HEVもラインナップ。たしかに前期モデルでは1.5Lターボがあったけれど、あのアクセル応答に難があるクルマをいまさら引っ張り出して調理して何をしようというのかと、ナナメに見ていたのだ。
だが、1.5Lターボをベースとしながらも、フライホイール、エンジンマップの変更を行ったことで、RSは懸念材料をかなり改善。シフトアップする際に回転落ちの遅れが少ない。一気にスロットルが戻ると燃料の燃え残りがあり、排ガス的に不利になっていた。そこをようやく解消できるようになったのがこのRSだ。
ただ本当のところを言えば、アクセル全開率が高い状況ではまだ回転落ちの遅さが残っている。あくまでもアクセルをそれほど踏まずにいる一般公道を、サラリと走るのであれば許せるかもしれない。
ほどよく走る時に具合がいいのは足回りも同様で、引き締めたとはいえ、サーキットを狙うようなものではないところが日本の公道にはちょうどよい感覚。目を三角にして走らないユーザーにオススメだ。
●POINT採点チェック
・ハンドリング:9点
・加速性能:6点
・ブレーキ性能:6点
・運転の楽しさ:8点
・乗り心地:7点
・コストパフォーマンス:6点
コメント
コメントの使い方価格度外視なら優秀なFFミドル5ドアセダンだということは、多くが認める事だと思います。
一番重要な、差額に対する中身の差に説得力があるのかという点が、文章化されてないのだけ残念でした。
コスパ評は軒並み低いので、そこから察してくれということでしょうか