2024年12月7日(土)、京都東本願寺門前広場(通称「お東さん広場」)にて実施された「京都モビリティ会議」。地方自治体と自動車メーカー、若者とメディアが次世代モビリティ社会について語り合ったこのイベントでは、各出展者によるトークセッションが実施された。本稿では「京都府」のセッションの様子をお届けします。
文:寺田鳥五郎、ベストカーWeb編集部、写真:寺田鳥五郎、小林岳夫、ベストカーWeb編集部
■クルマとの思い出は?
※登壇したのは西脇隆俊京都府知事。EVや自動運転の取り組みを、同志社大学大学院で車両通信を研究する東田悠希さん、ベストカー編集局長・寺崎彰吾と語ります。
寺崎彰吾ベストカー編集局長(以下、寺崎)…まずは西脇府知事、東田さん、それぞれ、クルマの思い出をぜひ伺わせてください。
西脇隆俊京都府知事(以下、西脇)…大学1年生の時に免許をとって帰省したら友人がクルマに乗っていてカッコイイと思いました。当時、クルマは大学生のステータスでしたね。
東田悠希同志社大学院生(以下、東田)…私はペーパードライバーですが、旅行先でレンタカーを借りた際、広い道路を自由に運転して楽しかったです。
寺崎…メーカーや車種の思い出はありますか?
東田…両親が購入したトヨタヤリスクロスの自動駐車機能で勝手にハンドルが動くのを見て感動しました。私は来春から自動車メーカーに勤めることが決まっていて、その経験が人生を変えるきっかけです。
西脇…私は名神高速道路が開通した時(1963年)、父が運転するトヨタのライトバンで高速道路を走ったんです。小学生でしたが、クルマが快適に走る姿を見てびっくりしました。
寺崎…モビリティ社会の開幕に立ち会ったんですね。
■京都府の取り組み
西脇…京都府は、ZET‒valley(ゼロ・エミッション・テクノロジー・バレー)構想で、2050年カーボンニュートラル社会を目指し、テクノロジーを実装したまちづくり構想を進めています。京都はEV関連の世界的な企業が集積し、大学の最先端研究成果も多く、スタートアップ企業も出ており、産官学で持続可能な産業振興に繋げます。また、2018年から「けいはんな学研都市」で、「けいはんな公道走行実証実験プラットフォーム(K‒PeP)」を立ち上げ、レベル2~4の実証実験を行っています。大阪・関西万博に合わせて「けいはんな万博」を開催し、自動運転バスの実証走行を予定。自動運転の社会実装に繋げます。
寺崎…東田さんが研究されている「自動運転における車の通信とプライバシー」について教えてください。
東田…クルマのセンサーでは建物、壁、トラックの向こう側は見えません。そこで、ほかのクルマのセンサーや位置情報をもらい、安全性を向上させます。ただ、位置情報の追跡でドライバーの自宅や勤務先の特定など情報の悪用もできる。そんな問題が起きない対策の研究を行っています。
寺崎…車車間通信で事故を防ぎつつ、プライバシーは守る、という難問を解決する研究なんですね。では、自動運転について、課題や期待を教えてください。
東田…安全な自動運転は移動の速度を5㎞/hにすればいいですが、そんなタクシーを使う人は少ない。手動運転の快適さを自動運転へ引き継ぐことが一番の課題です。
西脇…人手不足などによる地域公共交通サービスの維持や物流問題の解決に繋がることを期待しています。今度、商品のピックアップと積み下ろしをロボットが行い、配送を自動走行の車両が行うデジタル庁の調査研究をけいはんな学研都市で実施する予定です。さらに新名神高速道路のインターに次世代基幹物流施設を造り、高速道路に自動運転トラック優先レーンを設け、インターを降りて物流施設に入るまで完全自動で行う取り組みが計画されています。





















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