[伸びしろしかないッ]　ホンダが磨き続けた燃料電池の近未来像が見えてきた!!【京都モビリティ会議2024／ホンダセッション】

　2024年12月7日（土）、京都・東本願寺門前広場（通称「お東さん広場」）にて実施された「京都モビリティ会議」。地方自治体と自動車メーカー、若者とメディアが次世代モビリティ社会について語り合ったこのイベントでは、各出展者によるトークセッションが実施された。本稿では「ホンダ」のセッションの様子をお届けします。燃料電池の「潜在能力」にオドロキ！

文：ベストカーWeb編集部、写真：寺田鳥五郎、小林岳夫、ベストカーWeb編集部

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■1970年代に水素エンジン車が公道を走ったという事実！

※テーマは「水素社会実現のための課題と、燃料電池車として販売されているCR-V e:FCEVの可能性」。ホンダの長谷部哲也氏、生駒浩一氏というふたりの開発陣に、ジャーナリストで自称・水素ウォッチャー、著名な自動車ジャーナリストの清水和夫さんが、ワクワクする質問を連発!!

本郷仁 ベストカー編集担当取締役（以下、本郷）…登場したばかりのCR-V e:FCEVは、技術的にも注目が集まっています。清水さんは大学時代から水素を勉強されているそうですね。

清水和夫 ジャーナリスト（以下、清水）…学内にいた古浜庄一（※）という先生が、水素エンジンを作っていて、公道で走らせたりしていました。1970年代の出来事ですが、「水素で走るんだ」と衝撃でしたね！　その時から水素に興味を持っています。

※古浜庄一（1921-2002）：武蔵工業大学（現在の東京都市大学）の元学長、工学博士。日本で最初に水素エンジンの研究に取り組む。水素エネルギー協会元会長。

本郷…生駒さんは清水さんの後輩だそうで。

生駒浩一 ホンダ電動事業開発本部 BEV開発センター チーフエンジニア（以下、生駒）…はい！　古浜先生のもとでエンジンの研究をしていました。

本郷…今のホンダと水素技術は、生駒さんが大学で研究されたことがつながっているのですね。清水さんはCR-V e:FCEVに乗られて、どんな印象でしたか？

清水…乗り味はEVに近いですよね。CR-Vは17kwhのバッテリーを積んでいるので、プラグインハイブリッド車として充電器で充電すれば、水素スタンドに行かなくても走行することができるという点も気に入っています。

本郷…CR-VはSUVですが、e:FCEVユニットの、SUVタイプ以外のボディタイプとの相性はいかがでしょうか？

生駒…CR-Vに採用したコンポーネントの組み方だと、車高や室内にある程度の余裕があるので、SUVが一番作りやすいし、相性はいいですね。また、生産はアメリカなのですが、2代目NSXを作っていた工場と同じなんですよ。

■カギのひとつ「ホワイト水素」って……何!?

本郷…さて、水素の可能性についてなんですが、清水さん、先ほど（楽屋で）聞きなれない言葉を教えていただいたんですが、ええと、「ホワイト水素」というのは、いったいなんでしょうか？

清水…一次エネルギーとして、水素が地面の深いところにあったことがわかってきているんですね。

本郷…シェールガスみたいな感じですね。

清水…地下の深いところに蛇紋岩と呼ばれる岩があって、自然に水素ができているんです。その現象を「ホワイト水素」と呼んでいて、 ヨーロッパやアメリカ、アフリカで話題になっています。

長谷部哲也 ホンダ事業開発本部 事業開発統括部 水素事業開発部 部長（以下、長谷部）…ホワイト水素についての情報は私たちもつかんでいます。埋蔵量や水素の品質についての調査は、始まっているようです。

本郷…純度の高い水素は日本にもあるんですかね？

清水…白馬にある温泉ではボコボコ出ているみたいですよ。長い年月をかけていくと、新しい発見がどんどん出てきます。

本郷…実際、技術・研究を進めていくと、発見することは多いんですか？

長谷部…少し違ったところにヒントがあることも……。異なる技術と技術を組み合わせて、想定していなかった結果になることが多いですよね。

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