ナゼそこでしか売らん? 海外でしか買えなかった[移住グルマ]たちのその後

ナゼそこでしか売らん? 海外でしか買えなかった[移住グルマ]たちのその後

 日本車なのに日本で買えない? 実は海外のみで販売された日本車は古今を問わずに存在する。なかには日本に逆輸入された車種もあるが、国内販売が行われなかったモデルも多い。今回はそんな“移住車”たちを紹介していこう。

文/長谷川 敦、写真/アキュラ、トヨタ、ホンダ、マツダ、三菱自動車、Newsprass UK、CarWp.com

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現在でも大人気な海外専売モデル2選

●マツダ CX-50

「ナゼそこ?」海外でしか売られなかった[移住車]たちのその後
マツダ CX-50。北米向けに開発されたモデルで、製造も日本ではなく海外の工場で行われている。全長4720mm、全幅1920mmと大きめ車体なのは海外向けだから

 近年はロータリーエンジンではなく車体技術や高効率レシプロエンジンなどが注目を集めるマツダが、海外のみで販売しているのがSUVのCX-50。

 2022年に発売されたCX-50は、アメリカや中国で生産が行われ、さらに販売も海外のみのクルマで、海外でニーズの多いオフロード走行に強いのが特徴だ。

 その顔つきは近年のマツダが展開している魂動デザインに沿っているが、海外向けのSUVらしく車幅は1920mmと広め。

 パワーユニットもガソリン燃料の直4SKYACTIV-G2.5とそのターボ仕様、そしてトヨタ製ハイブリッドシステムを搭載したモデルも追加されるなど多彩に展開している。

 ワイドなボディは見た目も良く、性能も高いことから人気を集めているが、やはりそのサイズを考慮してか、日本国内での販売は行われていない。

●アキュラ インテグラ

 アキュラはホンダが北米で展開しているアッパーブランドで、そのアキュラのなかでも人気なのがスポーティ5ドアハッチバックモデルのインテグラ。

 インテグラといえばかつて日本国内でも販売され、高い人気を誇ったモデルだが、アキュラ インテグラは名称のみを引き継いだクルマであって以前のインテグラと技術上のつながりはない。

 日本国内でインテグラが販売されていたのは2007年までで、国内最後のインテグラは4代目モデルだった。

 そして2021年に中国でインテグラが復活。このモデルは11代目シビックのプラットフォームを流用している。

 続いて2022年には北米市場に向けてアキュラブランドからインテグラが登場した。

 このアキュラ インテグラも11代目シビックのプラットフォームを使っているが、その外観は中国版とは違うかなりアグレッシブなものに変化している。

 初代インテグラが比較的コンパクトなパッケージだったことを考えると、アキュラ版インテグラはすべてにおいて異なるクルマだといえるが、北米市場では好意的に受け入れられた。

 2023年にはノーマルの1.5リッターから2.0リッターにエンジンを拡大したインテグラ タイプSが発表された。

 320psを発生する2.0リッターVTECターボエンジンに対応するためボディがワイド化され、冷却強化のためにフロントダクトを拡大して顔つきもよりワイルドになった。

 このように魅力満載のアキュラ インテグラだが、今のところ日本市場に導入される予定がないのが残念だ。

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日本凱旋を果たすも結果は…だったモデル

●ホンダ シビックタイプRユーロ

 ホンダ製モデルの高性能バージョンに与えられる名称がタイプRで、歴代のシビックにも多数のタイプRが存在する。

 そのなかでも異色なのが、ホンダのイギリス工場で作られ、欧州で販売されたFN2型シビックのタイプRだ。

 もともとFN型自体が2005年から製造されていた海外専売のシビックであり、プラットフォームにはコンパクトカーのフィットと同じものが使われていた。

 そのため当時日本で販売されていた4ドアセダンの8代目FD型シビックとは異なる構成と外観を持っていた。

 このFN2型シビックが日本に逆輸入され、2009年からシビック タイプRユーロの名称で限定販売されたのだが、日本製造のFD型シビック タイプRと食い合うかたちになり、日本市場では大柄でパワフルなFD型に比べてコンパクトなFN2型が見劣りする印象を持たれてしまった。

 その結果タイプRユーロの販売成績は伸びず、限定モデルでありながら販売終了となる2012年までメーカー在庫が残っていたという。

 シビック タイプRユーロ自体は評価の高いクルマであり、欧州での人気も獲得していたので、日本市場での不振は少々意外だった。

●三菱自動車 エクリプス

 1989年に登場した三菱自動車のエクリプスは、当初から北米市場をメインターゲットにしたスポーティモデル。

 日本では初代&2代目モデルが販売されていたものの、1997年発売の3代目は当初国内での販売が見合わされていた。

 しかし、2004年10月にはラインナップのうちスパイダー(オープン)モデルのみが日本に逆輸入されることなる。

 このスパイダーは左ハンドル仕様であり、各種装備もアメリカに準拠したものだったが、それが日本では受け入れられず販売成績は低迷し、2006年3月には国内販売が打ち切られた。

 海外では2005年からエクリプスの4代目モデルが販売されていたものの2012年は生産が終了し、その後継車はリリースされていない。

 なお、2017年には三菱自動車からSUVのエクリプスクロスが発売されたが、こちらはエクリプスの名称だけを引き継いでいて、メカニズム的には旧エクリプスとまったく関連がない。

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