日本のメーカーがつくるクルマの中には、海外では売られているのに日本では買えないモデルがたくさんあります。「なんで日本では売ってくれないんだろう」と思ったことがある人は多いかと思いますが、そんなうらやましい海外生産車が近い将来、日本でも手に入れることができるようになるかもしれません。
文:吉川賢一/写真:TOYOTA
【画像ギャラリー】やっぱかっこいい!! 逆輸入構想浮上で復活が見えた!?? トヨタ「カムリ」の最新仕様(21枚)画像ギャラリートランプ大統領訪日の際に浮上した「逆輸入構想」
米国のトランプ大統領訪日を受けてホワイトハウスが明らかにした、米国で生産されたトヨタ車を日本への輸入(逆輸入)する構想。米国での生産拡大によって雇用創出が期待できることから、アメリカ政府としては歓迎すべき展開であり、トヨタとしても、米国内での生産実績を積むことで、将来的な政治的圧力の回避や経営リスクの低減につながる可能性があります。
現在の自動車業界では、現地に工場を設けて生産・販売をする「地産地消」パターンが主流となっており、また、開発・生産コストの効率化やグローバル設計化が急速に進んだことで、開発初期から複数地域の法規を想定して設計することも一般的になっています。こうした国や地域ごとに異なる規制への対応が容易になっていることも、この動きを後押ししているといえるでしょう。
また、昨今の円安ドル高の状況では、米国で生産したクルマを日本で販売することで、(人件費の差や輸送費は考慮しなければなりませんが)為替メリットを享受することもできます。
そして何より、米国市場の日本車は迫力と存在感が別格。ボリューム感あるデザインや大胆な造形は、日本仕様にはない魅力で、「これが日本でも買えたら」と感じるファンは少なくないはずです。
もし逆輸入されるなら? 本命はトヨタ「カムリ」!
もし本当にトヨタの米国生産車が日本に導入されるとすれば、その最有力候補は「カムリ」でしょう。日本では2023年末に生産を終了しましたが、米国では販売が継続されており、2025年には新型モデルも登場しています。かつて日本でも販売されていたことから、法規対応のハードルが低く、逆輸入第1号の筆頭候補とみられています。
米国で22年間セダン部門のベストセラーを続けるカムリは、その信頼性と完成度の高さで多くのユーザーから支持を集めています。新型モデルは全長4915mm×全幅1840mm×全高1445mmの堂々としたサイズで、上品さとスポーティさを両立。全車に第5世代ハイブリッドシステムを搭載し、駆動方式はFFとAWDを設定。サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット式、リアにマルチリンク式サスペンションを採用することで、ハンドリングと快適性を高次元で両立しています。
インテリアには12.3インチの大型センターディスプレイや液晶メーターを装備。最新のインフォテインメントシステムを備え、先進的なデザインと高級感を両立しています。もちろんカムリらしい広々とした後席空間は健在で、まさに「正統派セダンの完成形」といえる仕上がりです。
カムリは価格設定も魅力的。約2万9000ドル(約447万円)からと手の届く設定で、日本復活を望む声が上がるのも納得です。
ほかにも、セコイアやハイランダー(グランドハイランダー)、4ランナーといった大型SUV、また、タンドラやタコマといったピックアップトラックも米国車らしいキャラクターをもち、ぜひとも日本市場に欲しいモデル。アウトドア志向が高い米国市場では、オフロード仕様の特別仕様車も数多く登場しているため、こうしたモデルが日本で購入できるようになれば、ファンとしては嬉しい限りでしょう。

























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