世界で最も小さい量販電動トップを備えるコペン。オープンカーは季節もので、開閉が面倒というモデルもあるなか、季節を問わず気分によってオープンとクローズドを切り替えられるのが最大の魅力だ。
初代は10年間にわたり販売されたため現在も多くの中古車が出回っているし、現行モデルもデビューから5年が経過することで中古車のタマ数が増えてきている。
コペンを中古で買うなら初代にするか、現行にするかと迷う人もいれば、現行の3タイプでどれにするかと悩んでいる人もいると思われる。
コペンの中古車について、初代、現行のタイプ別、そしてライバルとなるホンダS600の価格動向と比較してみた。
文:萩原文博/写真:DAIHATSU、HONDA
コペンは久々復活した軽スポーツカー
バブル景気に沸いた1990年代初頭は、マツダAZ-1(スズキキャラ)、ホンダビートそしてスズキカプチーノの頭文字から「軽スポーツカーABC」と呼ばれたモデルが登場し一世を風靡した。
その後のバブル崩壊により、各自動車メーカーは車種ラインナップを絞り込み、これら軽スポーツカーは姿を消して行き、現在はレストアされた中古車が驚くような価格で販売されているはもうご存じのとおり。
そして2002年、久しぶりに軽スポーツカーとして登場したのが、初代ダイハツコペンだ。現在の軽自動車には搭載されていない直列4気筒ターボエンジンを搭載し、駆動方式はFF(前輪駆動)を採用した。
トランスミッションは5速MTと4速ATが選べて、ルーフも約20秒で開閉可能な電動のアクティブトップと樹脂製の着脱式ルーフのディタッチャブルトップの2種類を用意していた。
2代目の現行コペンは3タイプを用意
初代コペンは2012年まで約10年販売され、2年のインターバルを置いて2014年6月に2代目となる現行型ダイハツコペンが登場した。
「Dフレーム」と呼ばれる骨格を採用し、切れ目のないフロア構造によって剛性を向上。その結果、ドアを除くボディの外板パーツを樹脂化できることができた。
その恩恵によって「ドレスフォーメーション」というボンネットやフェンダー、バンパーなどの樹脂製パーツを自由に交換可能なカスタマイズができるようになっている。
搭載されているエンジンは直列3気筒ターボとなり、組み合わされるトランスミッションは5速MTとCVTとなった。
外観の違いでローブ、エクスプレイ、セロの3グレードを用意し、各モデルにはビルシュタイン製ダンパーやレカロシートといった豪華なパーツを採用したSグレードを設定。
さらに2019年10月にはボディに補強を加えて、走行性能を向上させたコペンGRスポーツを追加しラインナップの強化と商品力の向上を図っている。
そこで、今回は登場から5年が経過した現行型コペンの中古車事情を中心にライバル車といえるホンダS660そして現在もなお高い人気を誇る初代コペンの中古車の現状に迫ってみる。
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