「目玉はクロスター」。10月にマイナーチェンジされた、ホンダのコンパクトミニバン・フリード。フロント部の変更や、ホンダセンシングを全グレードへ標準装備! などがその肝だが、なんといっても「目玉」はクロスオーバーモデル「クロスター」が新設定されたこと。
「なぬ~~? でも前モデルとそんなに変わらんでしょ~」と、増税前にその前モデルを購入した編集部Bと、自動車評論家岡本幸一郎氏がクロスターに試乗する。
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※本稿は2019年11月のものです。試乗日:11月15日
文:岡本幸一郎/写真:ベストカー編集部/撮影:平野 学
初出:『ベストカー』 2019年12月26日号
■「やっぱりこっちでしたね…」
増税前に駆け込みでマイナーチェンジ前のフリードを買ったBさんには申し訳ないけど、マイナーチェンジを待ったほうが賢明だったかもしれない。それほど変わってないような気もするけど、実はそうでもないんですよ。
「もともとフリードが気に入っていて、10月頃にマイナーチェンジするのは知っていたけど、あまり変わらなさそうだったので、消費税10%の前に決断。ハンコを押したのよ。そのぶん値引き額ははずんでもらいましたけどね」とBさん。
いずれにしてもお気に入りの新車を手に入れることができたんだから、もっとうれしそうにしてもいいはずなのに、なぜかうかない表情。
それはクロスターが出たからだ。
「標準のフリードはグリルが小さくなった程度だからホッとしてました。ところが! クロスターを見てガク然……。もともとSUV&クロスオーバー系も好きなんですよ。知らなかった……」
えっ、こういうのも出るってウワサもあったような……(笑)。まあ、かくして新しく仲間に加わったクロスターは草食系キャラのフリードがプチ肉食系になった感じで、なかなかイケてますよね。
プライウッド調パネルを配したインパネや、汚れの目立ちにくいデジタルパターンのファブリックとプライムスムースを組み合わせたコンビシートなど専用に仕立てられたインテリアは心をくすぐる。
欲をいうと地上高を少し高くしてフェンダーに縁取りが付いていたらなおよかったけど、現状でもそこそこ雰囲気はあるので、Bさんが羨ましがるのも無理はない。
■実は走りが絶妙に進化!!
そして、今回用意されたハイブリッドモデルをドライブしても、マイナーチェンジ前後では微妙に変わっている。
まずステアリングフィールが洗練された。持ち前の軽快感に加えて、よりスッキリ、シッカリ感が増している。戻す側もリニアになって挙動を乱しにくくなっている。
また、ホンダ独自の「ステップダウンシフト制御」が新たに採用された。これは一定以上のブレーキ操作に合わせて自動的にシフトダウンして適宜エンジンブレーキをかけてくれるというもの。
例えば長い下り坂でブレーキを踏んで車速を微調整したいような状況で効果があり、付いているほうがスムーズで走りやすい。
加えてエンジン自体も、燃費や環境性能をさらに高めるべく、燃焼の改善や諸々の効率向上などが図られている。
さらに、ホンダセンシングが全グレードに標準装備になり、しかも後方誤発進抑制機能が加わったり、ACCの加減速の制御も、より自然な印象になっていることが確認できた。
要するにマイナーチェンジ後の新型フリードは、より快適に乗れて安全性も向上しているし、見た目もよくなって、クロスターのような魅力的な選択肢まで加わったわけです。
2%をケチっている場合ではなかったのですよ。Bさんも、もう少し待ってマイナーチェンジ後のクロスターを買ったほうが、もっと幸せになれたのにね~(笑)。
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