なぜ今さらブーム到来!?? ディーゼル車が売れてる事情と要因

なぜ今さらブーム到来!?? ディーゼル車が売れてる事情と要因

 逆風のディーゼル車が、まさかの過去最高販売も!! なぜ今さら国内でディーゼルが売れるのか?

 車のエンジンは、大きく分けてガソリンエンジン、ガソリンターボ、クリーンディーゼルターボ、ハイブリッド(プラグインを含む)に大別される。

 このうち最も販売比率が高いのは、ノーマルタイプのガソリンエンジンだが、日本ではハイブリッドの構成比率も多い。登録車で見ると、トヨタ車の47%、ホンダ車の55%はハイブリッドだ。登録車ではハイブリッドが相対的に売れ筋となった。

 一方でクリーンディーゼルも着実に増えている。2018年には過去最高の17万7272台を販売。

 電動化が進み、排ガス不正問題などでディーゼルへの風当たりが強くなっているだけに、その健闘ぶりが光る。

 さらに、2019年(1-11月)の国内におけるディーゼル車の新車販売台数は計16万1231台。残すは12月のみとなるが、2018年を上回り、過去最高を伺う勢いだ。

 逆風のなか、ディーゼルは、なぜ一定の支持を集めているのか? その背景に迫る。

文:渡辺陽一郎
写真:編集部

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マツダ車の4割以上はディーゼル! 日本では売れ行き過去最高に

国産メーカーでは唯一、ディーゼルに積極的なマツダ。CX-3、CX-5、CX-8、マツダ2、マツダ3、マツダ6など主力車種に「SKYACTIV-D」をラインナップしている

 軽油を燃焼させるディーゼルエンジンは、実用回転域の駆動力が高く、特にターボと組み合わせると優れた効果を発揮する。燃料消費量が少なく、二酸化炭素の排出量も抑えられることから、欧州では高い人気を得ていた。

 ただし、近年の欧州では、ディーゼルエンジンを原因とする大気汚染が指摘されている。VW(フォルクスワーゲン)が、北米で不正な方法によってディーゼルの排出ガス規制をクリアするなど、風当たりも強くなった。

 厳しい燃費規制にプラグインハイブリッドや電気自動車で対応する動きもあり、以前に比べるとディーゼルに対する依存度が下がっている。

 ところが日本では、今でもクリーンディーゼルターボの支持が厚く、前述のように売れ行きも伸びている。

 日本のメーカーでディーゼルに最も積極的なのはマツダだ。OEM車を除くと、ロードスター以外の全車種にディーゼルを搭載する。

 そして、今のマツダでは、ディーゼルと相性が良いとされるSUVのラインナップが豊富だから、ディーゼル比率が一層高まった。日本で販売されるマツダの小型/普通乗用車に占めるディーゼル比率は約44%に達する。

 マツダの次にディーゼルが多いのは三菱だ。デリカD:5がディーゼルを搭載して根強い支持を受けており、ディーゼル市場を支えている。

 そのほかのメーカーは、ディーゼルに力を入れていない。トヨタはランドクルーザープラドとグランエースがディーゼルを搭載するが、登録台数は多くない。

2019年1月にフルモデルチェンジしたBMW 3シリーズ。5月には320dを追加。ほかにもBMWはディーゼルを多車種に展開している

 そして、ディーゼルの売れ行きを急速に伸ばしているカテゴリーとして、輸入車も注目される。2010年頃のディーゼルの輸入台数は、1年間に2400台程度だったが、2015年には10倍以上の2万9000台に増えた。2018年には7万台を超えている。

 メルセデスベンツやBMWの販売店に尋ねると「最近はSUVの車種数が増えて、ディーゼルの売れ行きも伸びた。SUVはディーゼルが人気で、車種によっては販売台数の70~80%を占めるから、以前に比べるとディーゼルの売れ行きが大幅に増えた」と説明する。

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