クルマに限らず、モノの良し悪しは一人の評価よりも、複数の人たちの評価のほうが信用できる。ここでは2024年11月に登場したトヨタ スープラ A90ファイナルエディションを3名の自動車評論家の方々にレポートしていただいた。
※本稿は2025年4月のものです
文:山本シンヤ、日下部保雄、河口まなぶ、ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年5月26日号
いよいよクライマックス! 現行型スープラの集大成
2024年11月末に突如ベールを脱いだ、スープラA90ファイナルエディション。その数々のチューニングメニューは、まさに“現行型スープラの集大成”と言えるものだ。
紙のベストカーでは、4月26日号にて大井貴之氏がサーキットインプレッションを展開。大幅にアップグレードされたサスペンションなどによるハンドリングのよさや、ボディ剛性やブレーキ性能の高さを高評価した。
そんなスープラA90ファイナルエディションだが、残念ながら4月13日をもって販売抽選の受付を終えてしまった。新車として購入することはもうできないが、今後中古車として巡り合った時に備え、ぜひ参考にしてみてほしい。
今回は山本シンヤ氏、日下部保雄氏、河口まなぶ氏の3人の評価だ。
●トヨタ スープラ A90 Final Edition 主要諸元
・全長×全幅×全高:4380×1865×1275mm
・ホイールベース:2470mm
・車両重量:1530kg
・パワーユニット:3L、直6DOHCターボ
・最高出力:441ps/6000rpm
・最大トルク:58.2kgm/4500rpm
・タイヤサイズ:F=265/35/ZR19 R=285/30/ZR20
・価格:1500万円
80スープラを思い起こす懐の深さ!! 次期モデルへの期待が膨らむ(山本シンヤ)
パワートレーン、シャシー、空力、操作系と大胆かつ色濃いアップデートが行われていますが、その走りはサーキットスペックではなく、ベースモデルの走りの“純度”をよりピュアに高めたモノです。
ハンドリングはクルマがより小さく、より軽く感じる「手の内」感と、グイグイ曲がるのに鉄壁なスタビリティの両立が印象的。
これはメカニカルグリップの高さ、空力のよさ双方の相乗効果によるもので、ベース車のキレ味のよさを損なうことなく、路面に吸いつくコーナリングが可能です。
スライド走行も楽々こなしますが、挙動変化のわかりやすさや時間がゆっくりに感じる懐の深いコントロール性は、80スープラ(4代目)のことを思い出したくらい。
パワートレーンは出力アップよりも、アクセルワイヤーのような応答性と、まるで入念にバランス取りしたかのような滑らかな回転フィールと伸び、そして昔のエンジンのような艶っぽいサウンドにニンマリ。「カチッ」ではなく「スコッ」と決まる6MTは、このエンジンだとより輝きを増す感じ。
総じて、量産の域を超えた範囲で「5代目の集大成」としてやり切ったモデルと言っていいでしょう。現行モデルでここまでできるということは、次期モデルはもっと期待できると思います。
●ポイント採点チェック
・ハンドリング:9点
・加速性能:8点
・ブレーキ性能:8点
・スタビリティ:8.5点
・操る楽しさ:9.5点
・ベースからの進化度:9.5点


























コメント
コメントの使い方レビュー見てて久々にワクワクする、心が乗りたくてうずうずしてくる評価達ですね。
試乗であっても乗れる方々が羨ましい。FSWの宿泊プランとかで提供してくれないかな。