意のままの旋回性能!! ずーっとハンドルを握っていたかった(日下部保雄)
RZから54ps/7.2kgmアップした441ps/58.2kgmのエンジンはメリハリのあるフィールで、高回転まで滑らかに伸びる。エキゾーストノートも湿気のある独得の音色だ。
低い車高、カナードや大型リアスポイラーなどの空力パーツ、剛性をアップするボディ下面のブレースなどにより、ステアリングの応答性は良好。スパっとノーズの向きを変える。2470mmの短いホイールベースにちょっと苦手意識があったスープラだが、乗り手に寄り添ってくるような感覚があった。
ブレンボ製ブレーキは18インチから19インチのフローティング式ドリルドディスクに変更。
車重1530kgのハイパワーモデルでハードブレーキングを繰り返しても、タッチが変わらない強力なブレーキだ。ペダルフィールにダイレクト感があるのは、ブレーキホースのステンレスメッシュ化による効果も大きいだろう。
コーナーがまた面白い。KW製の伸/圧独立調整のショックアブソーバーが路面のアンジュレーションを伝えつつ、バネ上の動きがフラットなため操縦に専念できる。パワー、安定性、そして手足のように動く一体感。ファイナルたる所以だ。
緊張しながらステアリングを握ったデビュー時から、ここまで進化するとは……と感じさせられたファイナルエディション。ずーっとハンドルを握っていたかった。
●ポイント採点チェック
・ハンドリング:9点
・加速性能:9.5点
・ブレーキ性能:9点
・スタビリティ:9点
・操る楽しさ:9.5点
・ベースからの進化度:10点
まるで別物の鋭さ!! 性能を引き出せる乗り手にはたまらない一台(河口まなぶ)
スープラファイナルエディション、すべてが鋭くストイックなクルマに仕上がっています。一番の違いはボディ。各部の補強のおかげで、全体的にカチっとしています。
エンジンも気持ちいい吹け上がりですし、足回りもフットワークがシャープですが、それでいてコントロール性が非常に高いです。専用のシートも的確にインフォメーションを伝えてくれるので、ドライビングに集中できます。
試乗会では最後に乗ったこともあり、タイヤなどがわりと消耗した状態でした。そういった状況では姿勢変化が出やすく、ややアンダーが強いなどシビアさもありましたが、パッと乗っただけでも通常のRZより1.5~2秒は速かったです。条件を整えれば、さらに性能を発揮できるでしょう。
ベースモデルのRZも今回相当レベルアップしており、むしろ操る楽しさで言えば、より低速でリアが出るこちらのほうが楽しいと思います。
しかし、ファイナルエディションはその限界が上乗せされ、さらにハイレベルなドライビングに応えるセッティングになっています。上級者にとっては速いうえに乗りやすく、楽しいクルマと実感できるでしょう。
とはいえ、ビギナーの人が乗っても一味違う鋭さのエッセンスは味わえますので、ドライバーのレベルによって見える世界がかなり変わってくる一台だと感じました。
●ポイント採点チェック
・ハンドリング:8点
・加速性能:7点
・ブレーキ性能:8点
・スタビリティ:7.5点
・操る楽しさ:7点
・ベースからの進化度:8点


コメント
コメントの使い方レビュー見てて久々にワクワクする、心が乗りたくてうずうずしてくる評価達ですね。
試乗であっても乗れる方々が羨ましい。FSWの宿泊プランとかで提供してくれないかな。