日本のクルマを語る時に忘れてはいけない超重要カテゴリが、日本独自の規格である「軽自動車」だ。いまや国内の自動車の4割近くを占めるといわれる軽自動車の歴史を振り返り、軽自動車勃興のきっかけとなったクルマを探っていく。
※本稿は2025年4月のものです
文:永田恵一/写真:スバル、スズキ、ダイハツ ほか
初出:『ベストカー』2025年5月26日号
日本のベーシック
戦後にクルマの普及という目的で生まれた軽自動車において大きな起爆剤となったのが、1958年のスバル 360である。
「4人が乗れて最高速80km/hで低価格」というコンセプトで、日本のモータリゼーションの第一歩として歴史に名を残した。
次の軽ブームは軽規格が550ccになった1970年代終盤。1979年の初代スズキ アルトは「軽の平均乗車人数は2人以下」という点に着目し、「商用車化で物品税の課税を避け低価格化」というコンセプトで大ヒット。以来約10年、軽ボンバンブームが続いた。
1990年代に入り660ccとなった軽では、1993年の初代スズキ ワゴンRが全高を上げるという単純明快な手法で室内空間を稼ぎ、ハイトワゴンブームが勃発。
次が2003年の初代ダイハツ タントが開拓したスーパーハイトワゴン。初代タントはハイトワゴンよりさらに高い全高+スライドドアで使い勝手が向上。軽スーパーハイトワゴンは今も軽の柱に君臨している。

















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