高速道路を走っていると、追い越し車線を走り続けるクルマに遭遇することがあります。なかには明らかに遅い速度で先頭を走り続ける「空気を読めないクルマ」もいますが、たとえ流れに乗っていた速度であったとしても、後続がいる状況で追い越し車線に居座り続ける姿をみかけると、どこか引っかかるものを感じる人は多いのではないでしょうか。
追い越し車線を走り続ける行為がルール違反であることは、多くのドライバーが分かっているはずです。それでも道路では、同じ光景が繰り返されています。なぜ追い越し車線を走り続けてしまうのか。そこにはどんな心理があるのか。そして、見かけたときに取るべき、もっとも現実的な対応とは何なのか。あらためて整理してみましょう。
文:yuko/アイキャッチ画像:Adobe Stock_satoshi.o/写真:Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】追い越し車線をずっと走るクルマは違反じゃないの? 何を考えてる? 見かけたらどうする??(6枚)画像ギャラリー追い越し車線を走り続けると、なぜ問題になるのか
追い越し車線は、その名のとおり追い越しをする際に一時的に使う車線です。道路交通法第20条によって定められているもので、高速道路や片側2車線以上の道路では、原則として左側の走行車線を走り、必要な場面でのみ追い越し車線を利用します。たとえ法定速度内であっても、後続車がいる状況で追い越し車線を走り続ければ「通行帯違反」に該当し、警察が現認していれば、もちろん検挙の対象となります。違反したとされれば、違反点数1点/反則金(普通車)6,000円が科されます。どのくらい走り続けたらアウトかという明確な距離基準はありません(状況判断)。
追い越し車線にクルマが居座ると、後続車は速度調整や車線変更を余儀なくされ、これによって走行車線と追い越し車線の役割分担が曖昧になり、無用な車線変更が増え、速度差が生じやすくなり、渋滞や追突事故のリスクが高まります。「流れているから問題ない」と感じていても、その状態が続くことで、道路全体の安全性は確実に低下していくのです。
追い越し車線=速いクルマの車線という思い込み
追い越し車線に居座るドライバーには、いくつか共通する心理があると考えられます。まず多いのが、「追い越し車線=速いクルマの車線」という思い込みではないでしょうか。ルール自体は理解していても、「速く走るなら右」という感覚だけが残り、追い越しを終えたあとに左へ戻る意識が薄れてしまうケースは少なくないように見受けられます。
また、走行車線を走ることに不安を感じているドライバーもいるでしょう。合流車が多い、大型車が頻繁に行き交うといった理由から、左側よりも追い越し車線のほうが落ち着くと感じてしまうのかもしれません。さらに、運転に慣れていない場合や周囲を見る余裕がない状況では、後続車に気づかないまま走り続け、結果として後ろに車列を作ってしまうことも考えられます。
いずれにしても共通しているのは、本人に迷惑をかけているという自覚がない点です。結果として周囲の流れを乱していることに気づきにくく、この行為が繰り返されてしまうのだと考えられます。
見かけたらどうする? 感情で動かないことが重要
追い越し車線を走り続けるクルマに遭遇すると、ついイライラしてしまいがちですが、「相手が悪い」という正義感で動いてしまうと、こちらが危険な立場に置かれてしまうことも考えられます。たとえば、パッシングやクラクションで意思表示をしたり、無理に左側から追い越そうとしたりすれば、こちらも違反行為をしてしまうことになりますし、「あおられた」として、仕返しをしようとする悪質なドライバーがいるかもしれません。
追い越し車線を走り続けるクルマに遭遇したら、まず十分な車間距離を確保しましょう。そのうえで、可能であれば走行車線に戻り、クルマの流れのなかで安全な位置取りを心がけるようにしてください。走行を続けるうちに、そのクルマよりも前に出ることもあれば、しばらく同じ位置関係で走ることもあるかと思いますが、トラブルを避け、自分の安全を守るためには、とにかく近づかない、関与しないことが重要。感情で動くことは絶対に避けるようにしてください。









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