2019年10月に惜しまれつつ生産終了となったトヨタ「エスティマ」。その斬新なスタイルやミニバンらしからぬ走りのよさから、いまも復活を期待する声が多い、トヨタの名車のひとつです。
WEBメディア等でも「エスティマ復活!!」という記事を度々見かけますが、現在のところ、トヨタから次期型エスティマに関係するような発表はない状況。ただ、海外には「これって次期型エスティマになれるのでは」というモデルが存在します。トヨタが海外で販売している、2列目キャプテンシートを採用する3列シートの超豪華MPV「イノーバゼニックス」です。
文:吉川賢一/写真:TOYOTA、エムスリープロダクション
【画像ギャラリー】まるでかつての「エスティマ」 2列目キャプテンシートを採用する3列シートの超豪華MPV トヨタ「イノーバゼニックス」(13枚)画像ギャラリー東南アジアで大人気となっている3列シートMPVの豪華仕様
トヨタ「イノーバゼニックス」は、トヨタが東南アジア市場向けに販売してきた3列シートのMPV「キジャンイノーバ」の後継である「イノーバ」に、豪華な内外装デザインを与えたモデルです。イノーバは2022年に、イノーバゼニックスは2023年に登場しました。ちなみに、名称の「ゼニックス」とは「最上級の」を意味しています。
ボディサイズは、全長4760mm×全幅1850mm×全高1790mm、ホイールベースは2850mm、最低地上高は160mm。アルファードやヴェルファイアといったラージミニバンよりも背は低く、かつてのエスティマ(4795×1800×1760)に近いサイズ感ですが、クルマ全体を持ち上げたクロスオーバーSUV風のMPVです。既存の日本車では、ホンダオデッセイ(4855×1820×1695)やデリカD:5(4800×1795×1875)が近いでしょうか。
SUV風の顔ながら、スタイルはかつての「エスティマ」のよう
プラットフォームには、現行プリウスやカローラシリーズ、ノア/ヴォクシーと同じ、TNGAプラットフォーム(GA-C)を採用が採用されています。パワートレインは最高出力112kW(152PS)、最大トルク188Nmの2.0リッター直4エンジン(M20A-FXS)と、駆動用モーター(最高出力83kW、最大トルク206Nm)のハイブリッドのみ。これは現行プリウスと同じユニットです。駆動方式はFFの2WDとなっています。
エクステリアは、先ほどもすこし触れたように、フロントボンネット先端を持ち上げてフロントデザインを強調した、ミニバンとSUVを融合したクロスオーバーのようなスタイリングが特徴的です。大きなフロントグリルの周囲を囲むメッキ加飾やフロントバンパーのサイドに設けられた大き目のデザインライン、アウタードアハンドルのクローム塗装、フロントバンパー同様の加飾が施されたリアバンパーなどは、派手なデザインを好む現地ユーザーに合わせたデザインのようです。日本人からすると、エスティマに現代のSUV顔がついたような印象ですね。
インテリアは、ブラウンとブラックでコーディネイトされており、インパネ周りやドア内張りには、シルバーの加飾やステッチを入れたソフトパットを採用。8インチのデジタルメーター、10.1インチのタッチ式センタースクリーンなどによって、見た目も先進性が十分に感じられます。
シートは、ブラウンとブラックの本革シートを採用した前席シートのほか、2列目シートにはオットマン付きのキャプテンシートを採用。座面は広く、かつ足を延ばせる空間も十分にあり、パノラミックルーフから注ぐ光を浴びながらの移動は、とても快適だと想像できます。3列目シートは2列目ほどの広さはありませんがそれなりに空間が確保されていますし、使用しないときは、国内のシエンタのように床下格納をすることで、広い荷室空間を確保することができます。
東南アジア市場では、いまこうした3列シートのMPVが大人気。イノーバやイノーバゼニックスも人気車種となっており、2025年3月25日から4月6日までタイで開催されていたバンコク国際モーターショーでも、出展されていた2024年モデルのイノーバゼニックスの周囲は、常に人だかりとなってしました。
















コメント
コメントの使い方>エスティマのようなワンモーションフォルムに仕立てて、後席をスライドドア化し
なに言ってるんだ?
それはもう別の車じゃん