我らがベストカーも日頃お世話になっている自動車評論家のみなさん。クルマのスペシャリストである彼らは現在、愛車として3ペダルMT車に乗っているのだろうか? 乗っていないのなら、最後に所有したMT車は何だったのだろうか!?
※本稿は2025年5月のものです
文:片岡英明、松田秀士、鈴木直也、渡辺陽一郎、斎藤 聡、小沢コージ、橋本洋平、岡本幸一郎、鈴木利男/写真:ベストカー編集部、マツダ、スバル、日産 ほか
初出:『ベストカー』2025年6月26日号
最近手に入れた最新のMT車を初公開!!(片岡英明)
この10年、快適なEVを主役にしていたが、旧車イベントなどでステアリングを握るたびに軽量ボディのMT車にワクワク感を抱くことが多かった。車重の重いEVに乗っていると、ライトウエイトスポーツの魅力を再確認させられる。
悩んだ末に愛車にしたのはNDロードスターだ。クルマとの対話が濃密なMT車は、アンチエイジングに最適だと思い、70歳の記念にオーダーした。スキルを高められるだけでなく常に若々しい気分で運転を楽しむことができるのがいい。
最後のMT車は今から約40年前!?(松田秀士)
ここ最近のマイカーはほとんどAT。記憶をたどれば1985年だったなぁ。2.3Lの直6のBMW323i(E21)を中古で。
当時出ていた全日本F2のエンジンが2L、直4のM12/7。リヒテンシュタインのハイデッガーチューンのパーツが6気筒に流用できた。
ハイカムは特別なのを購入して、レーシングエンジニアに組んでもらって速かったです。4速MTですが高速でアルピナをブチ抜きました。そういえば、フ●イデー事件の時、た〇しさんを大塚署にこのクルマでお迎えに!
最後のMT車は最も長く乗り続けた(鈴木直也)
ぼくにとって最後のMT車となったのは2014年まで所有した初代インサイト。実は、ここまで約40年にわたるぼくの車歴はすべてMT車だった。
コンパクトなクルマ(=非力なエンジン)が好みということもあり、ちゃんと走らせるにはMTが必須。そんな、クルマを操る時の“一体感”みたいなものに惹かれていたんだと思う。
インサイト以後の愛車は、連続3台ターボディーゼル。トルクで走るクルマは、ATに任せたほうがベターという判断ですね。
最後のMT車は当時希少だったドイツ車(渡辺陽一郎)
若い頃は「クルマが勝手にギアチェンジするのは許せない」と考えていた。3台目までの愛車は、すべて30万円以下の中古MTだ。
その最後が1990年に購入した1983年式初代VWゴルフGTDだった。1.6Lディーゼルターボは、タイムラグを伴ったが速かった。ショックアブソーバーをGTI用の純正新品に交換すると、走行安定性が格段に高まりクルマ造りの違いを実感した。
ゴルフ生誕20周年の1994年に出した結論は「初代こそ最良のゴルフ」で、その想いは今も変わらない。
最後のMT車はあのコンペティション(斎藤 聡)
しばらくAT車が愛車になっているのだが、再びMT車が欲しくなっている。基本的にはダイレクトにエンジンの表情が感じられるMT車が好きだし、面白い。
最後に所有していたMTはインプレッサWRXで、これは痛快だった。水平対向の個性的な振動、排気音を持ったクルマだけに、MTならではのダイレクトなドライブ感覚が楽しかった。自分の意志、意図でギアを選び、クルマを走らせることの楽しさは格別だ。安楽と楽しさは必ずしも一致しないのだ。





























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