その差は20psのみにあらず…… GT-FOURの名を継ぎしトヨタ カルディナがイイんだけど絶妙に惜しかった件

その差は20psのみにあらず…… GT-FOURの名を継ぎしトヨタ カルディナがイイんだけど絶妙に惜しかった件

 ここへきて復活のウワサが出てきているトヨタのスペシャルティクーペのセリカ。スペシャルティクーペというよりはむしろWRCでも大活躍したラリーカーのイメージで見ている人も多いだろう。だが、そんなセリカの2Lターボエンジンとフルタイム4WDシステムを組み合わせた「GT-FOUR」の名を継いだステーションワゴンがあったことも忘れてはいけない。

文:小鮒 康一/画像:トヨタ、スバル

【画像ギャラリー】スキーに連れていってる場合じゃない!! レガシィツーリングワゴンに追いつけ追い越せ! GT-FOURの名にかけて……!!(22枚)画像ギャラリー

市販車最後の3S-GTE型エンジン搭載車

3代目カルディナGT-FOUR。3S-GTE搭載により2Lで260psを達成
3代目カルディナGT-FOUR。3S-GTE搭載により2Lで260psを達成

 セリカGT-FOURと同じ直列4気筒2.0Lターボエンジンの3S-GTE型エンジンを搭載し、GT-FOURの名前を継いだステーションワゴンとは、2002年9月に登場した3代目カルディナだ。

 2002年の時点でセリカは9代目モデルが販売中となっていたが、新たにライトウェイトFFスポーツにキャラクターを変え、エンジンも1.8LへとダウンサイジングされていたためにGT-FOURは設定されていなかった。

 そこで先代モデルから3S-GTE型ターボエンジンをラインナップしていたカルディナに白羽の矢が立ち、セリカに変わってGT-FOURの名前を継ぐことになったというワケなのだ。

ニュルを意識させるやる気仕様

3S-GTE自体は2代目のGT-Tですでに搭載されていた
3S-GTE自体は2代目のGT-Tですでに搭載されていた

 このカルディナGT-FOURには、セリカ譲りの3S-GTE型ターボエンジンのほか、フルタイム4WDシステムも搭載。さらに前期型に設定されていた「Nエディション」には、フロント倒立型ショックアブソーバー、リアモノチューブ型ショックアブソーバー、スポーツABS、トルセンLSD、フロントコイルバネ付パフォーマンスロッド、レカロスポーツシートも専用装備としておごられる“ガチ”なものとなっていた。

 なお、このNエディションの頭文字であるNはニュルブルクリンクの頭文字とされている。一説によると、カルディナGT-FOURを仕上げるために実際にニュルブルクリンクを走り込んだとも言われており、確かにスポーツ度の非常に高いステーションワゴンに仕上がっていたのである。

 ただこのカルディナGT-FOURがセリカと大きく異なっていたのが、トランスミッションにMTが用意されず、4速ATのみとなっていた点だった。

レガシィに対抗するにはいろいろ不足していた……

カルディナが挑もうとした王者レガシィツーリングワゴン。画像は2代目GT-B。2Lで280psに到達した脅威のモデルだった。
カルディナが挑もうとした王者レガシィツーリングワゴン。画像は2代目GT-B。2Lで280psに到達した脅威のモデルだった。

 ステーションワゴンというキャラクターを考えればATのみのラインナップというのも致し方ないところだが、GT-FOURの名前を冠するのであればMTモデルも欲しかったというのが正直なところ。

 当時のライバルとして挙げられることが多かったレガシィツーリングワゴンにはターボのMTモデルが存在しており、もしカルディナGT-FOURにもMTが用意されていれば、もう少しコアなファンに愛されるモデルになっていたかもしれないと思うと残念としか言いようがないのだ。

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