2025年5月30日、ホンダはアコードに新グレード「e:HEV ホンダセンシング360+(サンロクマルプラス)」を追加し、発売を開始した。ホンダの現行モデルでは唯一のハンズオフ機能を搭載したモデルとなる。
ホンダのADAS(自動運転支援システム)といえば、「世界初のレベル3自動運転」を実現したレジェンドが存在したが、すでに生産終了となっている。その技術の普及が待たれていたなか、今回ついにハンズフリードライブを可能とする新型モデルが日本で登場することとなった。ホンダ「アコードe:HEV ホンダセンシング360+」の詳細をご紹介しよう。
文:吉川賢一/写真:HONDA
【画像ギャラリー】いよいよ登場!! ハンズオフドライブが可能となった、ホンダ新型「アコード」(22枚)画像ギャラリードライバーモニタリングと高精度地図等がプラスされた「360+」
「ホンダセンシング360」(以下「360」)は、従来のホンダセンシングの検知範囲を全方位へ拡大し、交差点での車両・歩行者・二輪車の検知や、カーブ減速支援などを新に追加した、全方位安全支援技術だ。2021年に世界で初めて量産車として自動運転レベル3を実現したレジェンドの「ホンダセンシングElite」で培った技術を活かしつつ、センサー類を低コストで構成したシステムとなっている。
2025年6月現在、国内市場で「360」が搭載されているホンダ車はアコードのみ。機能としては、一般道の交差点で左右から接近する車両を検知する「前方交差車両警報」や、後側方から接近する車両を検知する「車線変更時衝突抑制機能」、ACC作動中にウインカー操作を行うと、システムがステアリング操作を支援してくれる「車線変更支援機能」など。
それが今回の「ホンダセンシング360+(プラス)」では、「360」の機能に加えて、ドライバーモニタリングカメラや高精度地図、全球測位衛星システム(GNSS)を採用し、ドライバーの状態確認および車両制御機能が進化。
一定の条件下においてステアリングから手を離すことができる「ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能」のほか、周囲の状況からシステムが先行車を追い越し可能と判断した場合にドライバーが承認することで追い越しや車線復帰を支援してくれる「レコメンド型車線変更支援機能」、高速道路等でカーブを走行中、事故のリスクがあると判断した際にドライバーに減速操作を促す「カーブ路外逸脱早期警報」、駐停車中に後側方から接近するクルマを検知し降車のために開けたドアとの衝突を防ぐ「降車時車両接近警報」、システムの要求に対してドライバーからの反応がなかった場合にハザードランプとホーンで周囲に注意喚起しながら減速・停車を支援する「ドライバー異常時対応」システムが新たに追加された。
条件が整えばハンズオフ走行ができるレベル2自動運転技術であり、レジェンドが搭載していた特定条件下でアイズオフ(レベル3自動運転)が可能な「ホンダセンシングelite」には技術的に至っていないものの、非常にコストが高いLiDAR技術を採用しないことでコストを抑え、機能を適切にチューニングしたといえる。価格は「360」を搭載するアコードの税込559万円に対し、「360+」搭載車は40万円アップの599万円だ。

























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