ボディに施される独特なデコレーションラインなどで日本にもファンの多い「アルピナ」が、BMWにブランド委譲される。そしてアルピナ創業家は新ブランド「ボーフェンジーペン」を立ち上げた。その第一弾モデルをご紹介する!!
※本稿は2025年6月のものです
文:竹花寿実/写真:ボーフェンジーペン
初出:『ベストカー』2025年7月26日号
BMW M4ベースの新たなラグジュアリーGTクーペが誕生
2025年末をもって、「BMWアルピナ」ブランドはミュンヘンのBMW AGに譲渡される。つまり、アルピナの本拠地であるバイエルン州ブッフローエにある「アルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペンGmbH」で生産されるアルピナは、年内で終了となる。
では今後ブッフローエは車両生産を諦めるのかというと、そんなことはない。2022年3月にブランド譲渡計画が発表されてから、さまざまな噂が流れていたが、その内容がついに明らかになったのである。
2025年5月24日、イタリア北部のコモ湖で開催されたクラシックカーイベント「フオリ・コンコルソ」にて公開されたのが、創業家のファミリーネームを冠した新ブランド第一弾「ボーフェンジーペン・ザガート」だ。
この4シータークーペは、BMW M4カブリオレをベースに開発されたラグジュアリーGTカー。
モデル名にあるとおり、トリノのカロッツェリア「ザガート」がデザインを手がけ、ロングノーズ&ショートデッキのプロポーションに、ダブルバブルルーフを組み合わせた、どこか懐かしさを感じさせるスポーツカースタイルに仕立てられている。
もはやキドニーグリルもないこのモデルは、これまでアルピナの開発で培ったブッフローエのGTカー開発ノウハウが惜しげなく注ぎ込まれ、卓越したパフォーマンスと極めて優れた快適性を両立したという。
ほぼフルカーボンのエクステリアにより、車両重量は1875kgとベースモデル(2000kg)を大きく下回り、3.0L直6ツインターボエンジンは611hp/700Nmにまで引き上げられたことで、0-100km/h加速3.3秒、最高速度300km/h以上を実現するという。
アルピナを手掛けていたブッフローエで行われ、400以上の専用パーツを、卓越した技術を持つ職人が250時間以上をかけて生産されるこのモデル。
これまでのブッフローエとの関係を考慮すれば、ニコル・オートモビルズが取り扱うのが自然だと思うが、日本におけるインポーターはまだ未定で、価格もそれなりに高くなるようだ。
ボーフェンジーペン・ザガートは、これまで以上にブッフローエの本気が感じられるモデルだけに、どんな走りを披露するのか、今からとても楽しみである。























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