静岡県の伊豆半島といえば、関東圏からは手頃感がありながらもシッカリした旅情が味わえる人気の観光地。同地を訪問して、半島内を公共交通手段で移動しようとした場合、強力な足代わりになってくれるのが路線バスだ。
文・写真・作図:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、伊豆半島を走るバスにまつわる写真があります)
■海がキレイな伊豆半島だけに
伊豆半島の醍醐味をまず一つ挙げるとすれば、半島と称するだけに東西南の周囲が海に面していて、現実を忘れさせてくれるような、深み豊かな海の蒼に囲まれた景色を眺めて楽しめるところだろうか。
そんな海系に明るいエリアということで、半島の海岸線近くに敷かれた道を通り、水平線と戯れながら移動してみたい、なんて願望がふつふつと湧いてきたりする。
もっとも、道さえあらば自分の意思でどこにでも行けるレンタカーやマイカーを使う分には、それほど難しい願いではなく、好きなだけオーシャンドライブを堪能できる。
ここで気になってくるのが、公共交通機関を使って移動するケースだ。レンタカー/マイカーと同じ要領で、海沿いをトレースしつつ、伊豆半島をぐるっと1周なんてできれば最高、ではあるのだけれども……。
■伊豆半島を走る路線バス
意外と険しい地形をはじめ様々な要因が重なった結果、それほど鉄道の発達しなかった伊豆半島では、路線バスが主力の交通機関となって日々の足を支えてくれている。
伊豆半島全域をカバーしているのは、地元の民営バス事業者である東海バス。創業から系譜の途絶えていないバス事業者としては国内最古クラスの老舗ブランドだ。
ここでは全部路線バスだけで繋ぐのを必須条件に据えるとして、なるべく海岸線に寄せてバスで1周するには、おそらくこの東海バスの各路線を活用していくことになると思うが、果たして思惑通りに路線が通ってくれているかが研究のしどころになる。
■実際の路線網はどうなってる?
伊豆半島を1周するにあたって、どこをスタート/ゴール地点にするかも一考。半島の付け根の部分が函南・三島・沼津のあたりになるようなので、その周辺か、もしくは東海バスの大型拠点の一つになっている修善寺あたりが丁度良さそうだ。
仮のスタート/ゴール地点を意識しながら、東海バスの路線図を開いてみる。結果から述べると、けっこう海岸線に寄せたバス路線があるようで、東海バスの繋がっていない区間を書き出すと……
(1)西側:戸田〜土肥 約16km
(2)東側:大川〜赤沢 約3km
(3)東側:宇佐美〜弘法滝 約5km
……の3カ所しかなかった。なお半島付け根部分の移動に関しては、他社のバス路線を組み合わせる形になる。
上記のうち(1)の区間は、別の公共交通が運行しており移動自体は可能。だたし乗り物の形態がデマンド型の乗合タクシーになるため、これを「バス」と捉えるかどうかで利用可否が大きく変わる。
(2)と(3)の区間に関しては、半島内を走る数少ない鉄道の伊豆急行線とJR伊東線が通っている区間であり、並行する路線バスの類が存在せず、バスだけで繋ぐには徒歩連絡ということになりそう。




