三菱自動車が北米向けアウトランダーにマイルドハイブリッドを投入すると発表した。「アウトランダーといえばPHEVだろ! マイルドハイブリッド作ってたの?」と思うクルマ好きは多いはず。いったいどんなパワーユニットだろう? 日本には来るのだろうか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:三菱自動車、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】日本に絶対来てほしいデスティネーターをじっくり見て!(13枚)画像ギャラリー東南アジア向けハイブリッドの流用じゃない!
三菱自動車といえば、アウトランダーやエクリプスクロスに積まれたPHEVがおなじみだが、ハイブリッドユニットを持っていないわけじゃない。東南アジアのタイでは、エクスフォースやエクスパンダー、エクスパンダークロスにマイルドハイブリッドを搭載し、人気を得ている。
「あー北米市場にもこのハイブリッドを導入するのか」と考えがちだが、答えはノー。実は前述した3台に積まれるハイブリッドは1.6L自然吸気(4A92型)+モーターなのだが、北米仕様は1.5Lターボ+モーターなのだ。
実は東南アジア向けHEVは前輪駆動向けで、システム出力も比較的控えめ。三菱はスピードレンジの高い北米でアウトランダーを名乗るクルマに搭載するのは難しいと判断したのかもしれない。
ならば北米向けハイブリッドはどんなものか。三菱のリリースにはもう一つヒントが書いてあって、1.5Lターボハイブリッドは、ベースエンジンをエクリプスクロスと共有するという。
なるほど、確かにエクリプスクロスには4B40型という1.5Lターボがある。どうやらこいつがハイブリッド化されると予想してよさそうだ。となると過去にはない三菱の新しいパワートレーンとなる。
デスティネーターも搭載する4B40型エンジン
改めて4B40型エンジンの素性だが、2010年代後半に三菱が、2.2~2.4L自然吸気エンジンの代替として開発したダウンサイジングエンジンだ。過去には前述したエクリプスクロスを始め、中国向けのアウトランダーが搭載してきた。
意外にもニューモデルも積んでいる。7月17日にインドネシアで公開された3列シートSUV「デスティネーター」がそれだ。実はデスティネーターに積まれる4B40型は、燃焼サイクルが高膨張比(アトキンソンサイクル)化されており、このあたりもハイブリッド化するうえでの親和性を感じさせる。
かつて三菱は、エクスフォース用の1.6L自然吸気ハイブリッドユニットを開発する際、アイシンと共同開発を行った。
ここからは編集部の予想だが、今回の4B40型のハイブリッド化についてもこの方式を用いるのではなかろうか。ハイブリッドエンジンは中継ぎ的要素が強いため、莫大な開発費用を投じられないからだ(※アイシンのユニットはFF用のため、4WD化にはそれなりのコストもかかるはずだが)。
400万円台で日本導入すれば人気になるかも?
さて、このマイルドハイブリッド版アウトランダー。日本には導入されないのだろうか。三菱自動車広報部に聞いてみたが、「現時点で導入予定はない」とのこと。現行アウトランダーは2021年の日本発表以来PHEVをアイデンティティとしており、当面はそのイメージを変える予定はなさそうだ。
とはいえアウトランダーPHEVは、いまや最廉価グレードのMでも500万円を超える高級車。HEVを導入して仮に400万円台で発売すれば、それなりの反響を呼びそうにも思えるのだが……。
ともかく、まずはアウトランダーの新たな刷新を喜びたい。日本導入を期待するのは、北米でのハイブリッドの出来栄えを見てからでも遅くないだろう。
















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