最近、ミドルサイズSUVの動きが活発だ。5月にはRAV4、7月にはCX-5と、世界で活躍する基幹車種の新型が次々と発表。市場ではその動きに注目が集まり、ライバルからも目が離せない状況だ。こんな時こそ、改めて現行モデルに目を向けてみよう。
文／木内一行、写真／トヨタ、日産、ホンダ、マツダ
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「グローバルで活躍し昨年の世界最多販売を記録」 トヨタ・RAV4
コンパクトクロスオーバーSUVの先駆者にして、世界で活躍するグローバルカーでもあるRAV4。2019年に日本で発表された5代目は、4代目が日本未発売だったため約3年ぶりに復活したモデルとなった。
その現行モデルは、シャシーからパワートレインまで刷新されたオールニュー。
初代と比べてずいぶんと大きくなったボディは、SUVらしいアクティブで力強い雰囲気と従来からの都会的なイメージを合わせ持つデザインで、各所に多角形の意匠を織り込んでいることが特徴。よりオフロードをイメージさせるグレード「アドベンチャー」も設定された。
エンジンは2リッターガソリンと2.5リッターハイブリッドの2種。
4WDシステムは全3種で、ガソリン車には通常の「ダイナミックコントロール4WD」のほか、前後だけでなく後輪を左右独立でトルク制御するトルクベクタリング機構と、状況に応じて後輪の駆動系を切り離すディスコネクト機構を持つ「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を世界採用。ハイブリッド車には、前後輪のトルク配分を最適に制御する「E-Four」を搭載する。
そして、翌2020年にはトヨタSUV初のプラグインハイブリッド仕様を追加。新開発のプラグインハイブリッドシステム「THSII Plug-in」を採用し、スポーティで力強い走りとともに、クラストップレベルのEV走行距離や優れた環境性能を達成している。
ちなみに、日本国内はもちろんグローバル市場でも人気で、2024年には118万7000台を販売して世界で最も売れた車種となった。この勢いそのままに、2025年に日本で登場する予定の新型もヒットするのだろう。
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「日本でのCX系ブームに火を付けた基幹車種」 マツダ・CX-5
2012年にデビューし、日本でCX系のブレイクのきっかけを作ったCX-5。2代目にあたる現行モデルが発表されたのは2016年12月だから、すでに8年以上も経過している。一般的なモデルチェンジのサイクルを考えるとかなりの長寿モデルだ。
そんなベストセラーとなっているCX-5だが、8年経ってもいまだに古さを感じさせない。
エクステリアは「洗練された力強さ」をキーワードに掲げ、マツダの「魂動（こどう）」コンセプトをより高い次元に昇華。彫りの深いマスクや躍動感のあるスタイリングなど、最近のマツダデザインを象徴するものだ。クルマの重心を下げるとともに前後のトレッドを拡大し、踏ん張り感を強めたことも走りに重きを置くマツダらしさといえよう。
エンジンは、2リッターと2.5リッターの自然吸気ガソリンと2.2リッターディーゼルターボの3種でスタートした。2018年には2.5リッターターボが追加され、従来からの3機種は新技術の投入により性能が向上。
その後も2.2リッターディーゼルターボの改良や2.5リッターターボの廃止などが実施された。また、ミッションは6ATが基本だが、6MTの設定（ディーゼルのみ）があったこともクルマ好きとしては喜ばしいことだった。
2026年にはモデルチェンジするだろうCX-5だが、今年上半期の新車販売台数は昨年の1.5倍近い1万2789台。まだまだその勢いは衰えていない。
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