2025年4月から車検制度が改正され、継続検査の受検期間がこれまでの倍となる2か月前から可能になりました。整備工場の混雑や作業負担も軽減されるこの制度変更。その背景とメリットをご紹介しましょう。
文:yuko/アイキャッチ画像:Adobe Stock_garage38/写真:Adobe Stock、写真AC、国土交通省
【画像ギャラリー】知ってた? 今年4月から法改正で「車検2か月前から受検可」に(6枚)画像ギャラリー残存有効期間を失うことなく、2か月前から受検が可能に
従来の規定では、残存する有効期間を失うことなく更新するには、有効期限の1か月前からしか受けることができなかった自家用車の継続検査(車検)。これが2025年4月1日に施行となった改正道路運送車両法施行規則によって、「自動車車検証の有効期間が満了する日の2か月前から当該期間が満了する日までの間に継続検査を行う」ことで、新車検証の有効期間の起算日が旧車検証の有効期間満了日の翌日となる、つまり車検証の残存有効期間を失うことなく、2か月前から車検を受検することが可能となりました。
これに伴い、自動車損害賠償保障法施行規則も、従来は、新車検証の有効期間に1か月を加えた期間(を経過する日の前日までの契約の申込みついて、契約の締結義務が保険会社に課されていた)だったのが、今回の改正によって、全国一律に2か月となりました。
背景には、年度末に集中する「車検ラッシュ」が
今回、(残存有効期間を失うことなく)車検が2か月前から受検可能となった背景には、年度末に集中する車検ラッシュがあります。クルマは、自動車ディーラーが決算を迎える(ことでセールが開催される)年度末に登録が増えるため、必然的に毎年度末に車検が集中、整備工場や検査場が混雑し、自動車整備士が残業や休日出勤に追われたり、ユーザーとしても車検や整備の予約がとりづらい、という問題が生じていました。
そのため国土交通省は、「混雑の平準化」と「整備現場の働き方改革」を目的に、受検可能期間の前倒しを決定、2025年4月1日より、前述のような規定が施行となりました。
これによって、ユーザーは、混雑期を避け、平日や閑散期に受検することも選べるようになりましたし、修理や部品取り寄せが必要な場合も余裕をもって対応することが可能になりました。また1か月も猶予がふえたことで、ほかの予定とも調整がしやすくなりましたよね。特に「ギリギリで予約が取れない」という危機的状況に陥る心配がなくなるのは大きなメリットです。
整備業界にとっても、繁忙期の作業負担が分散され、残業時間の削減につながるほか、余裕をもった計画で作業スケジュールを組むことができるため、作業品質の安定化や安全確保もしやすくなる、ということが期待できます。
余裕をもって車検を受けることは、安心・安全なカーライフにつながる!!
ただ、まだこの改正を知らないユーザーも少なくないと思われるため、「2か月前からに変更されたことで、年度末でも混雑はないだろう」と思い込んでいると、今年度末などには思いがけず予約が取れない、ということも考えられます。混雑を避け、余裕をもって車検を受けることは、安心・安全なカーライフにつながります。改正後となる今年度末も、早めの予約を心がけたほうがよいかもしれませんね。










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