本誌連載『お笑い自動車研究所』でお馴染みの演出家、テリー伊藤氏は自他共に認める「クルマ変態」。特に安くて面白い中古車が大好物だ。これまでも衝動的にクルマを買うのは日常茶飯事だったが、横須賀に「BACKDROP T&I GARAGE」(神奈川県横須賀市内川2-1-17)を作って保管場所に余裕ができてからは、まさに歯止めが効かない状況になっている。そんなテリーさんの愛車を続けて紹介していきます。第5回目はVW(フォルクスワーゲン) ビートルカブリオレ!
文:ベストカー編集部/写真:西尾タクト
【画像ギャラリー】「品川56」ナンバーはそのまま! 世田谷発・お嬢様のビートルカブリオレ物語(4枚)画像ギャラリーナンバープレートは50年前の“品川 56 “のまま。奇跡のビートルに出会った!
テリーさんにとってVWビートルは特別なクルマ。昔、初代を何台か乗り継いだし、1998年に登場したニュービートルも購入したし、さらに「今も常に掘り出しモノを探しているんです」とおっしゃっている。
”ビートルアンテナ”を張り巡らせているとやはり情報は集まるもので、あるところから「いいカブリオレがあるよ」という話が聞こえてきた。見に行ったら、それはもう「いいカブリオレ」どころじゃない、とんでもなく素晴らしい個体だったのだ!
「世田谷のお嬢さまが24歳で購入し、50年乗り続けたクルマだったんです。私と同い年のお嬢さま。私が24歳の時なんておカネがまったくなくて、働いていた会社も給料遅配の連続。そんな時に、当時100万円くらいしたビートルカブリオレを親に買ってもらえるなんて、どんなお嬢さまなのかという話です。その出自を聞いただけで“絶対に買う”と決めました」(テリーさん)。
このクルマはそのままで大事にしたい!
このビートルカブリオレは50年間ずっとヤナセで整備していたらしく、とんでもなく分厚い整備記録が付いていたのだとか。「こんなに愛されたビートルは世界中にないんじゃないかな」とテリーさん。程度が最高なのは言うまでもないが、それ以上に「元オーナーの愛」で包まれているのがいい。ナンバープレートも50年前に登録された時の「品川 56」のままである。
「このビートルだけは余計なことをせず、このまま大事に乗り続けます。そして、次の誰かに渡すのが私の役目。昔から続いているナンバープレートを変えたくないので、次のオーナーさんも品川エリアの人が望ましいですね」とテリーさん。
安い中古車を買ってきて、独特のセンスで自分だけのかっこいいクルマに仕上げるのがテリー流だが、このビートルカブリオレだけは別。お嬢さまの前では、暴れん坊のテリー伊藤さんもおとなしくなってしまうのだ。






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