世界中に星の数ほどある自動車を一台ずつピックアップして、視界の良し悪しや死角の有無を論じていたら来世までかかる。そこで自動車評論家のお二人に、今まで乗ってみて視界の良くなかったクルマや死角の大きかったクルマを伺った!!
※本稿は2025年8月のものです
文：松田秀士、斎藤 聡／写真：トヨタ、マツダ、日産、ベストカー編集部 ほか
初出：『ベストカー』2025年9月26日号
2代目から先代までのプリウスは怖かった!?（松田秀士）
視界の悪いクルマは窓が小さい。それは後方や斜め後方に限ったことが多いが、最近ではモニターの進化である程度リカバーできるようになった。
しかし、クルマは前進することが基本だから前方視界のよし悪しが重要。対自転車はそれが大事な要素だ。
前方の視界でボクが一番注目しているのが、ダッシュボード位置が高いクルマ。衝突安全のためにフロントバルクヘッドが大きくなり、Aピラーを寝かせて空気抵抗を低減するためにダッシュボードが高く視界を遮る。
これによって助手席側前方左側の位置感覚がファジーになる。走る自転車を追い越す時に距離感やスペースが掴みにくいクルマがある。
2代目以降のプリウスがまさにそれで、現行では改善されたが、ヘッドアップディスプレイも付けられないほど強いフロントウィンドウ傾斜角で圧迫感を含め視認性はよくない。
輸入車では初代レンジローバー イヴォーク。超カッコよかったが、後側方すべてが怯えるほど死角だらけだった。
視界が悪いのはスポーツカー系……さらに意外な車種も該当!?（斎藤 聡）
最近のクルマで視界的に厳しいなと思ったのはマツダ3ファストバック。Bピラーがぶ厚くCピラーが幅広いので後方視界がよくない。ボディ剛性が高く、操縦性への恩恵は大きいが……。GT-R、フェアレディZ、スープラなどのスポーツカー系も横から後方にかけて見えにくい部分が多い。
ミドルクラス以上のSUV／ミニバン系は、大柄なボディで左ドアサイドが見えにくい。ランクル300、アルファード／ヴェルファイアは典型で、ハイエース、キャラバンなども要注意。
意外なところでは1世代前のスーパーハイト軽。立ったAピラーで右左折時に角度によって斜め前の人が一人分すっぽり隠れてしまうことがある。最新のハイト軽がA＋A’ピラーを採用しているのはその証左。
完全な死角とは言えないが、見えにくさはうっかり見落とす危険性が高いということ。濃いスモークウィンドウやサングラスも同様、カーテンは論外。
コメント
コメントの使い方仕事で先代（50型）のプリウスは乗ってましたけど、視界は他のセダンと比べてもむしろ良い方ですけど…？
その前の30型は潜り込むような内装でダッシュボードも高くフロントウインドウを拭くことすら難しい、二度と乗りたくないぐらい運転しにくかったけど、それから乗り換えたら視界が良いわ乗りやすいわで感動しましたよ
現行はあのフロントウインドウの傾斜と低さでは到底乗り換える気にはならない…
カメラやブラインドスポットモニター前提で、補える範囲なら良いんです。
しかし、それらを駆使しても見えない範囲が一定以上を超えると、本能的に「動かすのが怖い」車になります。
先代プリウスやデリカD:5の他にも、エクリプスXやMazda全車など、「見えてない事を見ない振り」しての運転を強要する危険な車が増えました。
見た目には今のプリウスが一番見えにくそう
モニターがやたら大きい車もダッシュボードの高さが高くて視界を邪魔しますね。