今年の夏も暑かった! 熱中症など猛暑で崩した体調がなかなか戻らないことがあるが、それはクルマも同じこと。秋の行楽シーズンが始まる前に、夏バテしたクルマのパーツをリフレッシュ!
文:井澤利昭/写真:写真AC
【画像ギャラリー】クルマを長持ちさせる秘訣は夏バテ点検!!(10枚)画像ギャラリー暑さで弱ってしまったバッテリーの点検
秋に起こりやすいクルマのトラブルといえば、やはりバッテリーあがりではないだろうか。
その理由のひとつとして考えられるのが、夏の暑さに連日フル稼働状態であったエアコンなどで酷使されたバッテリーが、かなりの夏バテ状態となっているから。
特にここ数年の酷暑とも言える異常な暑さでは、ちょっと近場での買い物など、ストップ&ゴーが多い近距離・短時間の移動にもクルマを使うことが多く、こうした使い方はバッテリーへの負荷をさらに高めるものとなっている。
そんな弱った状態のバッテリーに追い打ちをかけるのが、季節の変わり目にありがちな急激な温度変化だ。
真夏のような暑さから、朝晩は突然冷え込むといった大きな寒暖差がある日が増えてくるうえ、昼間の時間が短くなったことでライト類の点灯が早まる秋口は、バッテリーにさらなるストレス与えることになる。
バッテリーが弱った状態が続けば、当然セルスターターを回す力もなくなり、突然クルマを動かせなくなることもありうる。
こうしたバッテリーのトラブルはガソリン車に限った話ではなく、EVやハイブリット車の補機用バッテリーでも起こりうること。
たとえ駆動用のバッテリーがフル充電の状態であっても、補機用バッテリーがあがってしまうとパワーユニットのシステムが起動できず、ガソリン車同様に走り出すことができなくなってしまう。
レジャーの予定が台なしに……なんて事態を防ぐためには、バッテリー液の水位が下がっていないかや、端子部分に腐食や緩みなどないかを確認する日頃からのバッテリーのメンテナンスが肝心。
もし不安があるならば、遠出の前にディーラーやカー用品店などでバッテリーが弱っていないかの点検を受けておくのも良いだろう。
また、万一のバッテリーあがりに備えて小型のジャンプスターターを用意しておくのもありだ。
一般的にはカーバッテリーの寿命は2~3年程度と言われているだけに、状態が悪く、3年以上使用しているバッテリーであれば、交換も検討したい。
夏バテ状態のブレーキは大きな事故の原因にも

真夏の高温下という環境は、クルマのさまざまなパーツに大きな負担をかけることになるが、安全性に直結する部分として気をつけたいのがブレーキだ。
そんなブレーキを構成するもののなかでも特に暑さの影響を受けやすいのが、多くのクルマで採用されている油圧式ブレーキに使われているブレーキフルード。
ブレーキフルードの沸点はその規格の基準となるDOTによって異なるものの、一般的なクルマで使用されるDOT3のもので205℃以上。
とはいえこれは新品の数値で、空気中の湿気を吸ったいわゆるウェット沸点では140℃以上と、その性能は徐々に下がってきてしまう。
こうなってくると当然ブレーキ性能も低下。上り下りの多い峠道ではブレーキローターの温度はかなり高温になるため、沸点が低くなったブレーキフルードでは気泡が生じる可能性が高くなる。
気泡が混じった状態のブレーキフルードは、ブレーキペダルを踏んでもその力を確実に伝えることができず、ブレーキが利かなくなるべーパーロック現象の引き起こす可能性がありとても危険だ。
こうした事態を引き起こすことがないよう、ブレーキフルードは定期的な交換が必須となる。
もちろん一般的には車検ごとの交換が基本ではあるものの、近年続く猛暑のもとでの酷使となれば、劣化のスピードも早くなることも。
エンジンルーム内のリザーバータンクに入っているブレーキフルードの色が黒色や極端に濃い茶色に変色している場合は、ディーラーや整備工場、大型カー用品店などの専門家に相談し、必要があれば早めに交換しておくようにしたい。
またブレーキフルードの量が適正ラインを下回るほど減っている場合は、ブレーキパッドが極端に減っていることも考えられるため、こちらもあわせてチェックしておいたほうがいいだろう。











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