イカつい顔のミニバンがもてはやされる中、あえて逆張りの楚々とした顔立ちで登場したホンダ フリード。誰も我慢をしない快適な3列シートも好評だ。自動車評論家のお2人は、フリードの長所と短所をどのように見ているのだろうか?
※本稿は2025年9月のものです
文:清水草一、岡本幸一郎/写真:ホンダ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年10月10日号
ホンダ フリードの○と×(清水草一)
■○なところ
なんと言ってもパッケージング! このサイズでしっかり3列6人が座れるだけでもスゲエ。
ライバルのシエンタもほぼ同じだけど、シエンタの3列目シートが床下収納なのに対して、フリードは跳ね上げ式。その分シートの厚みがあって快適だ。
さらに感動的なのは、フリードクロスタースロープ(車いす仕様)のパッケージングだ。このサイズで、2列目シートを畳まずに車いす(自転車等も)を乗せられるのは信じられない!
シエンタの車いす仕様とは雲泥の差で、これに関しては明確な差がある。加えて乗り心地のよさも〇。シンプルなデザインも好評だ。
■×なところ
個人的には、無機質すぎて商用車みたいに見えるデザイン。もうひとつは、全体に面白味のない走り。シャシーもパワートレーンも眠い。
ホンダ フリードの○と×(岡本幸一郎)
■○なところ
実用車としてみると、パーフェクトに近い完成度だ。取り回しのよいサイズながら3列目まで充分な広さが確保されていて、装備や収納も充実していて、乗り心地が非常に快適で、走りもよくて意のままに操れる。
e:HEVは上質でしっとりとした走りが、エンジン車は軽快な走りが持ち味で、どちらもそれぞれいい。燃費もe:HEVはもちろんとして、ガソリンもなかなかいい。全体的に○ばかりだ。
■×なところ
そんなわけで、×はナシでもいいぐらいだが、強いて挙げると、乗り心地は悪くないのにやや振動が出ていたのと、静粛性が高いのにタイヤの音だけ少々目立って感じられたことだ。
あとは、これがいいという人も多いだろうけど、見た目に華がないことと、3列シート車は2列目がフラットにできないことぐらいかな。


















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