三菱「デリカ」と言えば、「デリカスターワゴン」という車名になったモデルから1BOX車ながら、本格4WD車の「パジェロ」譲りの悪路走破性をもつ唯我独尊系のモデルとして、コアなファンに支えられているモデルだ。
1BOX車のデリカスターワゴンからフロントノーズの付いたミニバンのデリカスペースギアを経て、2007年1月に5代目となる「デリカD:5」が販売開始された。そこで、今回は販売開始から約12年が経過したミニバンのロングセラーモデル、三菱「デリカD:5」中古車事情について紹介しよう。
文/萩原文博
写真/編集部、MITSUBISHI
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■唯我独尊! 卓越した悪路走破性を持つ個性派ミニバン
2007年1月に登場したデリカD:5は「リブボーンフレーム」と名付けられた、ほ乳類の肋骨のような環状骨格構造を採用。A・B・Cピラーとルーフの結合やテールゲート開口部全周を閉断面骨格として、さらに大型のクロスメンバーを配置して優れたボディ剛性を確保。その結果、荒れた路面や高速道路などのコーナリングでも車体がねじれず、高い操縦安定性と衝突安全性を確保している。
デリカD:5のサスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式、リアがマルチリンク式とミニバンのなかでは贅沢なシステムが奢られている。特にリアのマルチリンク式サスペンションは、ダンパーサイズを大型化したうえで、ダンパーとスプリング特性を最適化したことで、車体上下動を最小限に抑えている。小さなショックを吸収し、悪路走破性と乗り心地のよさを高レベルで両立している。
搭載されているエンジンは2019年10月までは、最高出力160ps、最大トルク191Nm(19.5kgm)を発生する2L直列4気筒SOHCガソリンエンジンを2WD車。そして最高出力170ps、最大トルク226Nm(23.0kgm)を発生する2.4L直列4気筒ガソリンエンジンを4WD車にそれぞれ搭載していた。
しかし、現在すでにガソリンエンジンは生産終了となり、最高出力145ps、最大トルク380Nm(38.7kgm)を発生する2.2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンのみとなっている。このディーゼルエンジンは尿素水溶液「アドブルー」を使用して、ディーゼルエンジンが排出する窒素酸化物(NOx)を浄化するシステムを採用し厳しい環境規制をクリアした、クリーンディーゼルエンジンとなっている。
組み合わされるミッションは8速ATで、駆動方式は三菱独自のAWC(オールホイールコントロール)思想に基づいた4WDのみで、燃費性能はより実燃費に近いWTLCモードで12.6km/Lを実現。燃料タンクの容量は64Lで、満タンで約800kmという国産ミニバンの中では屈指の航続走行距離を誇る。
2007年に登場して以降、デリカD:5は改良を重ねてきた。マイナーチェンジも2008年5月を皮切りに、2009年、2010年と毎年のように行われてきた。そして、直近で行われたビッグマイナーチェンジが2019年2月。ディーゼルエンジン搭載車は内外装をはじめ、大幅に変更した。
外観は、三菱のデザインコンセプトであるダイナミックシールドを採用し、標準モデル、アーバンギアともに大きなフロントグリルと縦型のLEDヘッドランプという個性的なフロントマスクを採用した。インテリアはインストルメントパネルのデザインが一新され、悪路でも車体姿勢が掴みやすい水平基調の「Horizontal Axis」デザインを採用した。
さらに、運転支援システムもアップデートされ、衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)をはじめ、6つの機能がパッケージングされた三菱「e-Assist」を装備している。それでは、最新のデリカD:5の中古車事情を見てみよう。
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