MT車に乗ることは、単なるノスタルジーではない。ギアを選び、エンジンの回転数を合わせ、タイヤのグリップを感じながら走る──その一連の動作が、脳を活性化させ、反射神経や集中力を保つトレーニングになる。
さらに、MTは運転への没入感が段違いだ。オートマでは味わえない「自分がクルマを操っている」感覚が蘇る。仕事や家庭でストレスを感じるおじさん世代こそ、MT車がもたらす“解放感”と“達成感”を味わうべき。なんでも自動化に進む今こそ、あえて自分の手足で操る歓びを思い出してほしい!
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部
おじさんにお薦めのMT車:ホンダN-ONE RS
Nシリーズのなかでもクルマ好きの心をくすぐるホットハッチがN-ONE RSだ。ナンバー付きのワンメイクレース「N-ONEオーナーズカップ」が2014年から毎年開始されるほど、走りに徹した軽自動車だ。
N-ONE RSの6MT車のシフトフィールがカチッとしていてダイレクト感があり、とにかく気持ちいい。もちろん、コンパクトカーに比べると660㏄ターボなので絶対的なトルク感が乏しいが、ヴォン、ヴォンというエキゾーストノートを奏でながら、めいっぱいエンジンを回し、矢継ぎ早にシフトチェンジするこの感覚は1980年代のボーイズレーサーを思い起こさせる。
リッターカーのスポーツモデルと比べて絶対的なエンジントルクが小さい分、速度を上げるには、2速にダブルコーンシンクロ、3速にカーボンシンクロを採用。2、3、4速と、矢継ぎ早にシフトチェンジをする必要はあるものの、ギアレシオをS660と同じくクロスレシオ化したことにより、ワインディングでは小気味よく軽快に走ることができる。
操作のしやすさを追求したインパネシフトノブは、S2000ベースの専用デザインというホンダのこだわりもおじさんにはササるのではないだろうか。
しかも、軽のMT車として初となるACCとLKASを採用。マニュアル車最大の懸念である「坂道発進」が、E-PKBのオートブレーキホールド機能によって安全・安心にできるのもおじさん世代にとっては嬉しいポイント。
おじさんにお薦めのMT車:マツダロードスター
6速MTの操作フィールは業界随一で、クルマとの一体感を味わえるのが、マツダロードスター。改めて考えてみても、人馬一体と表現されるマツダロードスターの走りのよさは、他のクルマではなかなか味わえないからだ。しかも、マツダは2030年までに全車電動化する方針で、次期型ロードスターは純ガソリン車でなくなる可能性も高いのでなおさら、いま乗るべきではと思う。
現行ND型のソフトトップは、1.5Lガソリンエンジンに6速MTと6速ATが用意されている。絶対的な加速度はそれほどではないが、車重は1010~1040㎏と軽く、1.5L直4エンジンのパワー(136ps/15.5kgm)も大きすぎず小さすぎず、街中やワインディングなどでエンジンを気軽に高回転まで回すことができる。
価格はSが289万8500円、Sスペシャルパッケージが308万7700円、SレザーパッケージVセレクションが355万3000円、RSが367万9500円、モータースポーツベース車のNR-Aが306万4600円。
50代以上のお金持ちの方には電動ハードトップのRFがいいという人もいるだろう。しかし、人馬一体のハンドリングをより気持ちよく味わうことができ、クルマを操るフィーリングを体感できるのは、ソフトトップのMT。
ボケ防止、いやそこまでいかなくてもという人にも、人生最後の一台として自信を持っておススメできる。個人的にはNR-Aでレースに出てみたい……。
余談だが、4本で計3.2kg軽量化したRAYSの鍛造ホイールを装備し、車重990㎏の990Sがお薦めだったが今はラインナップしていない。中古では230万円~。













コメント
コメントの使い方スーパーキャリイはちょっと頭がデカイんよなぁ
ハイゼットトラックジャンボが丁度いい大きさなんよ
あのサイズなら即買いなんだが