どんなに燃費性能が高いクルマに乗っても、運転の仕方ひとつで、燃費の良し悪しは変わってくるもの。
しかも、ちょっとした心がけで大きく変わってくることもある。今回は、省燃費運転の達人・国沢光宏氏がそのテクニックを公開する。
文:国沢光宏
ベストカー2016年6月26日号
速度は出しすぎても、遅くてもダメ
燃費を伸ばすための基本的なテクニックは「走行速度を可能な限り抑えること」である。具体的に説明しよう。
燃費のことなど全く考えずに走っている人を見ると、絶対的な速度は「気分次第」だ。
クルマの流れや自分の気分でアクセル踏み、適当にブレーキかけている。燃費のことを考え、どのくらいの速度が好ましいか、意識したことあるだろうか? 一般道であれば、トップギアのまま走れる最も低い速度が燃費のベスト。
高速道路では低い速度ほど燃費がよいけれど、かといって遅すぎれば周囲に迷惑かけるし、移動の効率だって悪い。
よって90km/hくらいが最もバランスよいとされている。燃費を重視するなら、この上限速度を常に考えて欲しい。
速度変化を減らせるクルコンを活用せよ!
速度の変化を可能な限り抑えるのも燃費改善に有効だ。90km/hの一定速度で走るのと、80~100kmという幅を持たせるのでは、燃費が大きく変わってくる。
加速しようとすればムダな燃料を使うし、減速すべくアクセル戻したら、走行エネルギーが摩擦エネルギーになってしまい、熱として失われてしまう。かといって90km/hをキープする走り方って、案外厳しいもの。
アクセルを踏む足がイライラしてしまう。もし自分のクルマにクルーズコントロールが付いているなら、こいつを積極的に使いたい。
私は高速道路を走る際、アダプティブクルコン付きならほぼ常時。通常のクルコンであっても、混雑している時を除いて使う。高速巡航はクルコンの使用が最も効果的だ。
前後をよく見た緩やかな運転が重要
一般道で一番大きなムダは、前方の信号が変わっていたり、渋滞が始まっているのを確認できるのにアクセルを踏む行為だ。目の前の信号が青になったとしよう。走り出した直後、遠くに見える交差点の信号赤に。
こういった時でも皆さん加速を続け、赤信号の近くになってからブレーキかける傾向がほとんど。ブレーキかけるのがわかっていて、アクセル踏んでるのだ。これってカンペキなガソリンのムダ使いだと思う。
どうしたらいいか。信号が変わったり、変わりそうだったら、バックミラーで後ろを見る。もし後続車がいないなら、その時点で加速は止め、速度を一定&徐々に速度を落として行けばよろしい。
後続車がいるとイライラされるため、緩い加速を継続しながらも最低限の速度にしておく。
こういった走り方を自然にできるようになったら、実用燃費は簡単に5%くらい向上する。
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