大学自動車部には、部員数50人に届くかというマンモス自動車部もあれば、試合出場を目指して細々と活動する大学もある。今回ご紹介する東海大学自動車部は、コロナ禍での部員激減を乗り越え、大会復帰を果たした不屈の集団なのだ!!
※本稿は2025年10月のものです
文:奥野大志/写真:奥野大志、日産、トヨタ、ホンダ、スズキ ほか
初出:『ベストカー』2025年11月26日号
これからが楽しみな注目株!

●「自動車部」とは?
自動車部は野球部やラグビー部と同じ体育会に所属する運動部。私立大学の場合、学生自動車連盟(学連)が主催する、ジムカーナやダートトライアル、フィギュアなどに参加するのが一般的。
東海大学はダートトライアルに絞って出場しているほか、フォーミュラジムカーナやeスポーツにも出場しており、時代とともに自動車部の活動内容も変わってきている。
●東海大学自動車部 プロフィール
・正式名称:東海大学 体育会 自動車部
・部員数:19名
・試合車:スズキ スイフトスポーツ(ZC31S)
・活動場所:湘南キャンパス 総合体育館裏 駐車場
・活動日:毎週火/木/金曜日
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今回取材にお邪魔したのは東海大学。前回の日本大学と同様、とても大きな大学で、全国各地にキャンパスがありますが、自動車部の活動拠点は神奈川県平塚市に位置する湘南キャンパスにあります。
55万平方メートルを誇る敷地内には、クルマが行き交うラウンドアバウトがあったり、とにかく広大。聞けば、このキャンパスには2万人の学生が通っているそうで、東海大学のメインキャンパス的な存在だそう。
迎えに来てくれた部員の案内で、自動車部の活動拠点に向かうと、試合車や練習車、輸送用のトラックがある駐車場が見えてきました。しかし、屋根付きのいわゆるガレージはなく、数台の青空駐車場と小さな倉庫のみ。自動車部は屋根なしの駐車場で日々の活動を行っているのです。
「実を言うとコロナ禍の時期に部員が減ってしまい、自動車部は存続の危機にありました。しかし、それから先輩やOB、現役生の尽力により、部員が増加。現在は19名の大所帯になりました。
活動場所については、外の敷地に移動する話もあったのですが、大学との交渉の末、今の場所に落ち着きました。突然のゲリラ豪雨の時はみんなでずぶ濡れになりながら、クルマにカバーをかけています」(主将・渡邉出帆さん)。
タイヤは手組みが当たり前で、エアツールも使えない最低限の整備環境。車取材のインタビューは、2つの部活とシェアして使う部室で行いました。それでも東海大自動車部は活気にあふれています。
大学の活動認可も徐々におりるようになり、2025年は部費を積み立て、新たに導入したスイフトスポーツ(ZC31S)で、学連主催の全関東学生ダートトライアルと全日本学生ダートトライアルに参加しました。
結果はそれぞれ8位と11位(どちらも団体)。全関東は6年ぶりの出場、全日本ダートに至っては10年以上出場なしだったことを考えると、大きな大きな一歩です。
「お金のやりくりにはとても苦労しています。他大学のようにジムカーナ用の新規定車両を導入するのは『厳しいよね』という話になり、ダートに絞って活動しています。マシンスペック的に厳しいのはわかっていますが、みんなで知恵を絞って頑張っています」(同)。

























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