三菱自動車は11月20日、フィリピンで新型ミッドサイズSUV「デスティネーター」の販売を開始した。すでに発売されているインドネシアでは約4カ月で年間計画を上回る約1万2000台を受注し、現地のカー・オブ・ザ・イヤーも獲得した。7人乗り3列シートと本格SUV+MPVの「いいとこ取りコンセプト」を武器に、三菱のアセアン攻勢をけん引する一台になる。
文:ベストカーWeb編集部、画像:三菱自動車
インドネシアで年間計画超え! 「デスティネーター」ってどんなSUV?
三菱自動車の新型ミッドサイズSUV「デスティネーター」は、商品コンセプトを「The Confidence Booster for Energetic Families(いきいきとした家族が自信を持って一歩踏み出せるよう後押しするSUV)」とする3列シート・7人乗りSUVだ。
ボディサイズはインドネシア仕様の諸元(全長4680×全幅1840×全高1780mm、ホイールベース2815mm)からもわかるように、ミッドサイズど真ん中。日本でいえばアウトランダー級のスケール感を持つ。
デザインは、三菱らしいダイナミックシールドを進化させたフロントマスクと、ワイドスタンスの力強いプロポーションが特徴。高い最低地上高214mm(アンダーカバーを含まない場合244mm)により、アセアンの荒れた路面や段差にも対応する。
室内は3列シートレイアウトで、パノラマサンルーフや64色アンビエントライト、12.3インチセンターディスプレイ+8インチデジタルメーター、ヤマハと共同開発した「Dynamic Sound Yamaha Premium」オーディオなど、装備のトピックも満載だ。
パワートレーンは、三菱得意の1.5L MIVECターボエンジン+CVTの組み合わせ。最高出力120kW(約163ps)、最大トルク250Nmを発生。5つのドライブモードと「Mitsubishi Motors Safety Sensing」による先進安全装備も備えている。これHV仕様やPHEV仕様の展開も期待したいぞ。
フィリピン市場に本格投入、約70カ国展開のグローバル戦略車
三菱自動車は11月20日(金)、このデスティネーターを(先行して発売したインドネシアに続き)フィリピンでも発売開始したと発表。
販売子会社であるミツビシ・モーターズ・フィリピンズ・コーポレーション(MMPC)の今枝律社長は、ここ数年の同社の力強い成長に触れつつ、
「SUVならではの堂々たる存在感とラグジュアリーさ、MPVの多用途性と快適性を兼ね備えた新型『デスティネーター』の投入により、さらなる成長を目指すとともに、競争の激しいミッドサイズSUV市場における当社の存在感を一層高めていく」
と、フィリピン市場での勝負車種になることを強調している。車両本体価格は約1,099,000~1,309,000フィリピンペソ(日本円相場価格: 約292万円~約348万円)。え、これマジ?? と値段を二度見するほど安い。これは売れるでしょ。
インドネシアで今年7月に発売されたこの新型デスティネーターは、今年度の販売目標台数1万台に対して約4カ月で約1万2000台を受注する好スタートをきっている。現地最大級メディアグループが主催する「GridOto Awards 2025」では、「カー・オブ・ザ・イヤー2025」と「ベスト・ミディアムSUV」をダブル受賞。2016年のパジェロスポーツ、2018年のエクスパンダーに続き、三菱が同アワードのカー・オブ・ザ・イヤーを獲るのは3度目だ。
三菱は今後、このデスティネーターをベトナムなど他のアセアン諸国に加え、南アジア、中南米、中東、アフリカまで展開し、最終的には約70カ国に順次投入する計画。アセアンで鍛えた3列SUVをグローバルに展開していく“柱の一本”として位置づけていることがわかる。
タイでの不調が伝えられ、足場のひとつであるアセアン地域での苦戦が続いていた三菱自動車だが、このデスティネーターの好調を見ると、現地での「三菱人気」はやはり根強いことがわかり、これが復権・復活の一手となりそう。















コメント
コメントの使い方