クルマが主役に戻ってきた!? 東京オートサロン2026直前にジャパンモビリティショー2025をあらためて振り返る!

クルマが主役に戻ってきた!? 東京オートサロン2026直前にジャパンモビリティショー2025をあらためて振り返る!

 まもなく東京オートサロン2026も開幕するが、2025年のジャパンモビリティショーで感じた熱気から、かなりの盛況が予想される。それならば、ここでもう一度、ジャパンモビリティショー2025を振り返ってみよう。メーカーの現在地とクルマ文化の行方を、レーシングドライバー中谷明彦の視点から読み解く。

文:中谷明彦/画像:ヤマハ、ベストカーWeb編集部

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かつてのモーターショー感が戻ってきた!?

今回のジャパンモビリティショー2025はクルマメーカーだけでなく、サプライヤーの展示も見ものだった
今回のジャパンモビリティショー2025はクルマメーカーだけでなく、サプライヤーの展示も見ものだった

 2025年のジャパンモビリティショー(JMS)は、前回開催時に比べて明確に「自動車」に焦点が戻された展示構成が特徴的だった。東京ビッグサイトを主会場に、日本自動車工業会が主催する本イベントは、モビリティ産業全体の幅広さを示しつつも、かつてのモーターショーの雰囲気を色濃く感じさせる内容となっていた。

 自動車メーカー各社の華やかなブースから、サプライヤーや周辺産業の技術展示まで、現在の自動車産業の構造と進化を俯瞰できる場として意義深いショーになっていたと思う。来場者数も週末を中心に大きく伸び、イベントとしても成功裏に終えた印象だ。

ヤマハの名機で整備士体験がすばらしい!

ヤマハ KT100カートレース「GREEN TEC KTスーパートロフィー2020」
ヤマハ KT100カートレース「GREEN TEC KTスーパートロフィー2020」

 中谷明彦的に今回のショーで最も印象的だったのは、自動車整備人材確保・育成推進協議会/国土交通省が出展しヤマハ発動機が協力した「チャレンジ!未来の自動車整備士!」と銘打ったエンジン分解・組立体験コーナーである。

 教材として使用されたのは、2024年に生産終了が発表されたレーシングカート用2ストロークエンジン「ヤマハ KT100」で、1970年代半ばから世界中で使用され続けた歴史的名機である。

 6本のシリンダーヘッドナットを外すと、アルミ鋳造のヘッドが容易に取り外せ、内部のピストンとシリンダーが露わとなる。クランクシャフトを手で回せば、単気筒ピストンがストロークする様子が直接視認でき、空冷2ストロークエンジンがどのように動力を発生させているかを視覚的に理解できる教材となっていた。

 図解や文章では伝わり切らないメカニズムのリアルが、子どもたちに強い興味を抱かせていた点が大きい。

ジュニアおよび初心者向けにヤマハが販売するエンジン「KT100J」
ジュニアおよび初心者向けにヤマハが販売するエンジン「KT100J」

 自動車整備士やメカニックの人材不足が深刻化する現代において、若い世代へ「機械いじりの楽しさ」を伝える試みはきわめて意義深い。このKT100は、レーシングカートの入門用として日本のモータースポーツ文化を支えてきたエンジンであり、その生産終了は関係者の多くにとって時代の転機を実感させる象徴的な出来事であった。

 ヤマハから派遣されてきたブースの教師役メカニックたちも名残惜しさを語っていたが、子どもたちが真剣に工具を握る姿がその役割を次代へつなぐ希望を感じさせる展示となっていた。

さすがのラインナップだったトヨタ/レクサスゾーン

レクサスじゃ6輪レクサスやスポーツモデルまで幅広いラインナップまで見せた
レクサスじゃ6輪レクサスやスポーツモデルまで幅広いラインナップまで見せた

 トヨタ自動車ブースでは、レクサスの新たなブランド戦略を象徴する世界初公開モデル群が豪華な演出とともに披露されていた。

 レクサスは2030年以降のフルBEV化に向けてデザインとプラットフォーム刷新を進めているが、今回のショーではその方向性を示す次世代プロトタイプが展示され、国際的ラグジュアリーブランドとしてさらなる高みを狙う姿勢が強く伝わってきた。

 また、一般ユーザーの注目を最も集めたのはワールドプレミアムとなった新型ランドクルーザーFJや新型RAV4である。特にRAV4 PHEVのEV航続距離150kmという数値は来場者の関心を大いに引きつけた。既存のPHEVを大きく上回る性能であり、都市部での電動走行主体のユーザーにとっても理想的な性能に達していると言える。

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