東京オートサロン2026で、WRXファン待望の6速MT仕様「WRX STI Sport#」や、レヴォーグ、WRX S4、インプレッサの特別仕様車を披露したSTI(スバルテクニカインターナショナル)。特にWRX STI Sport#はファン待望とあって注目を集めましたが、既存のスバル車に装着可能な「STIパフォーマンスパーツ」も見逃せない発表でした。
なかでもレヴォーグ向けに設定された「ダイナミック・モーション・パッケージ」は、「速さ」ではなく「走りの質」に踏み込んだ内容で注目を集めています。スバルの走りを知り尽くしたSTIが本気で仕上げたこのパッケージは、いったいどのようなメリットをもたらすのでしょうか。
文:吉川賢一/写真:SUBARU、エムスリープロダクション
【画像ギャラリー】東京オートサロン2026で発表された「STIコンプリートカー「WRX STI Sport#」と特別仕様車「レヴォーグ STI Sport R-Black Limited II」(20枚)画像ギャラリー市販チューニングとは一線を画す「STIパフォーマンスパーツ」
スバルのモータースポーツ活動を支えるプロフェッショナル集団「STI」が手がける「STIパフォーマンスパーツ」は、一般的なドレスアップパーツやスポーツ走行向けのチューニングパーツとはやや異なり、「量産車のポテンシャルを最大限に引き出し、走りの質感を高めること」を目的とするものです。
レース活動で培った知見を背景に、スバルの量産車開発と同じ思想、同じ評価基準で設計・開発されており、見た目の派手さや数値の大幅上昇を狙うというよりも、ドライバーが感じ取る走りの一体感や安心感、そして、長く乗り続けたいと感じる完成度を重視している点が特徴です。
こうした考え方を体現する取り組みとして、STIが東京オートサロンで発表したのが、スバル車を対象としたアップデートサービス。車両購入後でもメーカー純正の機能やパーツを追加できる公式サービスで、STIパフォーマンスパーツをはじめ、走行性能や快適性を高める装備をディーラーで装着してもらうことが可能。保証を維持したまま愛車をアップデートできる点が大きな魅力です。
今回ご紹介するレヴォーグ向けに設定された「SUBARUダイナミックモーションパッケージ」はそのひとつで、STIが開発したフレキシブルパフォーマンスパーツと高剛性サスペンションを組み合わせ、ボディ、足まわり、シャシー全体の動きをトータルで最適化することを狙ったパッケージです。個々のパーツ性能ではなく、車両全体としての「動きの質」を高める点に主眼が置かれています。
レース直結のハードコアなアイテムではなく「質感重視」の仕立て
ハンドリング性能において、よりダイレクトなフィーリングを求めていくと、サスペンションも車体も「高剛性=正義」となりがちです。しかし、スプリングやダンパーを単純に硬くすると、挙動がシビアになって扱いづらくなったり、路面の凹凸を拾いやすくなって快適性を損なったりすることも少なくありません。0.01秒を削ることが目的のレーシングカーであれば許容される仕様でも、日常使いではむしろ不快に感じられる場面が多いのが実情です。
今回現行型レヴォーグに設定された「ダイナミック・モーション・パッケージ」は、そうしたジレンマを解消し、日常域での「走りの質」をワンランク引き上げることを目的に開発されたSTIパフォーマンスパーツの集合体です。具体的には、フロントのロアアームにWRX S4と同様のピロボール形状高剛性ブッシュを採用し、横方向の剛性を向上。さらに、タイロッドエンドを湾曲形状とすることで、ステアリングラックへの振動入力を抑制しつつ、ダイレクトな操舵感とすっきりとしたハンドリングの両立を図っています。
スバルの開発担当者によれば、これらのパーツを装着することで、レヴォーグ本来の快適な乗り心地を維持しながら、ドライバーの操作に対してクルマがワンテンポ早く反応する感覚を得られるとのこと。ワインディングロードはもちろん、高速道路でのレーンチェンジといった日常的なシーンでも、より軽快で安心感のある走りを楽しめるようになるといいます。
STIパーツと聞くと、レース直結のハードコアなアイテムを想像しがちですが、このパッケージはむしろ「質感重視」の仕立て。ノーマル状態でも完成度の高い走りを持つレヴォーグだからこそ、その魅力を自然に引き立てる、玄人好みのアップグレードといえるでしょう。
























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