日本中が一種の興奮状態にあったバブル景気時代には、クルマにも多数の豪華絢爛なデバイスやアイテムが装備され、なかには現代の感覚では「?」と思えるようなものもあった。そんなバブルが生んだ装備を振り返ってみよう。
文:長谷川 敦/写真:トヨタ、日産、CarWp.com
【画像ギャラリー】冷蔵庫も完備!! バブル時代のクルマが異常すぎる件(11枚)画像ギャラリー忙しい人には必須(?)だった装備
●自動車電話
1980年代末~1990年代初頭がいわゆるバブル景気時代だが、この頃はまだ現在のような携帯電話はメジャーなアイテムではなかった。
しかし、バブルの好景気下で忙しい人が多かったのもまた事実であり、そんな人に向けて用意されたのが自動車電話だ。
いくつかの高級車に装備された自動車電話は、文字どおり自動車の中から電話でき、移動中にも会話が可能なことは多忙なビジネスマンにとって恩恵になった。
しかし、問題はその経費で、自動車電話の導入に約20万円、月額の基本料金は約3万円、通話は1分100円というかなり高額なもの。
バブルの好景気ならこの経費を気前よく払える人もいただろうが、その好景気も泡と消え、やがて携帯電話の急激な普及によって自動車電話は時代の流れに消えていった。
●電卓
今ではスマートフォンにも電卓機能が備わり、手元で使える電卓の需要も低下しているが、バブル時代には一部のクルマにも電卓が搭載されていた。
事務系でなくても仕事には活躍してくれる電卓だが、クルマにおいて計算が必要になるのは燃費の算出。
ドライブコンピュータはそうした計算も行ってくれたものの、付加機能として電卓も使用できた。
電卓は、ちょっとした計算には役立ったが、それ以上の必要はなく、特に普及することはなかった。
■車内で安らぎたい人に
●冷蔵庫
クルマは移動や運搬のために利用するのが基本だが、趣味性も強く、一種のステータスシンボルになるケースもある。
特にバブル景気時代はその傾向が強く、豪華な装備もステータスのひとつだった。
その最たるものがクルマに装備された冷蔵庫だ。
キャンピングカーなど、移動以外の手段にも使われるクルマに冷蔵庫が装備されるのはわかるものの、それがセダンだった場合はどうだろう?
トヨタの高級車・セルシオにはオプション設定で冷蔵庫も用意されていた。
ただし、スペースの問題から冷蔵庫のサイズはペットボトルが2本入る程度のものだったという。
もちろん、暑い日の車中で冷えたドリンクを飲みたくなるのは理解できるが、日本国内にはいたるところに自動販売機やコンビニエンスストアがあり、その気になれば冷えた飲み物の入手は容易。
結局この車載冷蔵庫もメジャーになることはなかった。
●おしぼり冷温器
夏場にはよく冷やしたおしぼりで、寒い冬にはあたたかいおしぼりで顔や手を拭きたくなるのは日本人の性ともいえる。
それはクルマに乗っている時でも同様であり、いつでも最適な温度でおしぼりが使えるように専用の冷温器を備えたクルマもあった。
Y31型日産セドリック&グロリア(1987年)にはオプションでおしぼり冷温器が用意されていたのだが、果たしてどれほどのユーザーがこのオプションを装着したのかは不明だ。
●マッサージ機能
ずっと同じ姿勢でクルマを運転していると、肩こりをはじめ体のあちこちが痛くなりがち。
そんな時にはシートに内蔵されたマッサージ機能を使って体をほぐせばいい。
という思想で搭載されたのかは不明だが、バブル時代にはマッサージ機能を装備したクルマが登場した。
1990年代に販売されたトヨタのセルシオやセンチュリーなどのモデルがマッサージ機能を搭載していたが、これが好評だったこともあって現代でもマッサージ機能付きシートを採用するモデルは存在している。
実際には、マッサージ機能付きシートは運転席ではなく後列シートに装備されるのがほとんどで、恩恵を受けるのは運転手ではなく後列に座った人になる。
運転は専門の運転手に任せて、自身は車内でリラックス&リフレッシュするのがバブル時代のエリートだった?
■「これはいらないかも?」という贅沢の極み装備
●電動カーテン
後部座席に乗っている際に、あまり車内を見られたくない場合に使用するのがカーテンだが、体をひねってカーテンを操作するのは体勢的に意外にキツい。
そこで登場したのが電動カーテンで、スイッチひとつでカーテンが開閉してくれる便利な機能だった。
電動カーテンを装備していたクルマはトヨタのクラウンやセルシオ、日産のシーマ&セドリック/グロリアなどと、高級車だったのはいかにも。
しかし見栄えが良くないのか、リアウィンドウのカーテン自体がポピュラーにはならなかった。
●18K ゴールドキー
最後に紹介するのは装備というよりはバブル景気を象徴するようなアイテムだ。
それが1989年に登場した日産 インフィニティQ45のオプションキーだ。
このキーのスゴいところは材質で、なんと18金(18K)を使っているのだ。
金は鉄などに比べて軟らかく、本来はキーに不向きな材質なのだが、特殊な処理を施すことにより、キーホールに差し込んで回しても曲がってしまわない強度を確保していた。
バブル景気を象徴するような黄金のキーの価格は52万円! この時代の日本がいかに浮かれていたのかが想像できる。
高級なクルマも飛ぶように売れたバブル景気は、弾けた後の印象から日本にとってマイナスだったという人も多い。
しかし、資金に余裕があったからトライできた新技術も多く、クルマの世界においては決して悪いことばかりではなかったことも事実だ。
20世紀終了直前に膨れ上がったバブル景気は、功罪合わせて覚えておきたい出来事なのは間違いない。
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