スクーターといえば、スロットルを開くだけで滑らかに走るオートマチックが一般的。しかしホンダのジョルカブは、お洒落なスクーター「ジョルノ」のボディに、伝統の「スーパーカブ」用エンジンを搭載するというユニークな構成で誕生した「マニュアルミッションスクーター」。1999年~2001年まで、2年間ラインナップされていた。
文/Webikeプラス編集部
スクーターの皮を被ったカブ? 4段ギアがもたらす新しい走りの世界
ジョルカブの最大の特徴は、スクーターのルックスでありながら、1速から4速までのギア操作を楽しめる点にある。採用された4段リターン変速は、チェンジペダルを踏むだけのスマートな操作が可能。停車時には4速から「つま先」側のペダルを一回踏むだけでニュートラルに戻るロータリー機構も備えており、ギア操作が初めてのユーザーでも簡単に扱える工夫が施されている(つまりスーパーカブと同じだ)。
このギアチェンジこそが走りに個性を与えており、通常のオートマチックスクーターでは味わえない「自ら操る喜び」を実現した。足元でギアを切り替え、エンジンパワーをダイレクトに路面へ伝える感覚は、まさにモーターサイクルの楽しさそのものである。ジョルノ譲りのシックなフォルムを崩すことなく、内側にキックペダルを収めるなど、細部にわたって快適さと楽しさがプラスされている。
驚異の低燃費と環境性能を両立した伝統の4ストロークエンジン
パワーユニットには、ホンダの伝統である「スーパーカブ」の空冷4ストロークエンジンが搭載されている。このエンジンは信頼の耐久性と粘り強いパワーが自慢であり、排出ガス規制値をクリアしたクリーンな性能を誇る。4ストロークならではの静かなエンジン音は耳にやさしく、街中での走行も極めて快適である。
さらに特筆すべきはその経済性で、30km/h定地走行テストではガソリン1リットルあたり約110kmという驚異的な低燃費を記録した。燃料タンク容量の4.2リットルをフルに活用すれば、計算上は約462kmもの航続距離を可能にするなど、省エネ性能を極限まで高めている。また、メンテナンスフリーバッテリーの採用や、2ストロークエンジンのようなオイルの継ぎ足しが不要な点など、維持のしやすさも大きな魅力となっている。
快適性と実用性を兼ね備えた充実の装備とカラーバリエーション
車体構成にもこだわりが見られ、リアサスペンションにはモーターサイクルでおなじみのスイングアーム式と2本のサスペンションを採用している。これにより高い操縦性としなやかで軽快な乗り味が両立され、心地よい走りが提供される。フロントには路面からの衝撃をソフトにするトレーリングリンク式サスペンションを備え、丸くて大きなガラス製ヘッドライトが夜間の視認性を確保している。
実用面では、シート下にハーフカップ型のヘルメットが収納できるメットインスペースを確保し、その手前には買い物に便利なコンビニフックも装備された。メーターパネルはスピードメーターや燃料計が見やすく配置され、ギアポジションを確認できるニュートラルランプも備わっている。
カラーリングは「モンツァレッド」「シャスタホワイト」の2種が設定され、マニュアルスクーターの本場(?)イタリアンな雰囲気のビビッドカラーが選べた。2001年には「ベガブラックメタリック」も追加、全3色が揃ったが、残念なことにこれが最終型となった。性能面でもメリットの大きかった機構を持つジョルカブ、現代では貴重なモデルとなっている。
ジョルカブ(1999)主要諸元
・全長×全幅×全高:1,660mm×630mm×1,015mm
・最低地上高:110mm
・シート高:720mm
・エンジン:空冷4ストローク単気筒OHC 49cc
・最高出力:3.9PS / 7,000rpm
・最大トルク:0.41kg・m / 5,500rpm
・燃料タンク容量:4.2L
・変速機形式:4段リターン(停車時のみロータリー)
・タイヤサイズ(F/R):F=80/100-10 46J / R=80/100-10 46J
・販売価格:18万9,000円(当時)
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/515464/
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https://news.webike.net/gallery3/515464/515503/








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