フジエクスプレスで臨時運転士として乗務する記者のバス運転士日誌は、同社で運転士になる契機となった営業所見学会に運転士として参加したので、当日の模様をレポートする。どういう流れで、主催側は何をしているのかについても触れたい。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■営業所見学会とは?
今やどこの事業者でも運転士不足は深刻で、それはフジエクスプレスでも同様である。各社局では合同の就職イベントや独自のイベント開催で自社をアピールし運転士獲得に努力している。
フジエクスプレスでは本社のある港区芝浦の東京営業所の見学会を実は毎月開催している。概ね土曜日に開催しているのだが、記者も以前にこの見学会を取材したことが契機となり臨時運転士となり現在も運転業務をしている。
見学会の参加は受有免許の条件はなく、普通AT限定でも大型二種でも関係なく参加でき、構内でバスの運転体験ができる。参加者の多少により異なるものの、大型貸切車の日野セレガと小型路線車の日野ポンチョの両方が運転できるのが第一の特色と言えよう。
■説明会というより質問会?
参加希望者はあらかじめホームページの該当フォームから予約をして申し込む。申し込みが受理されると開催日に田町駅に集合する。ここで受付を済ませるとお迎えのバスが営業所からやってくる。参加者の人数によりセレガが来ることもあれば、中型路線車の場合もあるしポンチョの場合もある。だいたい当日に決められる。
お迎えのバスに乗り込むと、社内で採用担当者から挨拶や諸注意があり、そうしているうちに東京営業所に到着してしまう。徒歩でも行ける距離だがバスだと10分程度だ。
会議室で改めて挨拶があり、会社説明と労働条件等の一般的な説明が採用担当者からある。この流れで現役運転士との座談会に移行する。この座談会で記者は現役運転士として正社員の運転士とともに2名で出席した。会社からは何を話してくれても構わないと言われており、質問には噓偽りなく本当のことを話してほしいとあらかじめ言われてある。
よってこの座談会について会社との打ち合わせは一切していない。タイムスケジュールとプログラムの内容についてのみ確認されただけだ。ちなみに記者はこの日は日勤扱いなので給与は出る。
座談会では質問が飛び交う。運転士経験のある方とない方とでは質問内容は異なるが、意外だったのは給与面ではないことの方が多かったことである。乗客とのやり取りについてとか、疲れの内容についてとか、なかなか現実味のある質問が多いような気がした。
参加者には東京営業所内の食堂で昼食を提供するので、運転士とともに食べながら座談会の続きのような質問会に終始する。一般的な会社案内では伝わらない細かいことと現実の運転士とのギャップをできるだけ埋めるのが座談会の目的なので、なんでもタブーなく回答する。
■そして運転体験
お昼休みの後は、運転体験だ。指導運転士が登場して日野セレガを構内で取りまわす。その手本を見せて参加者に実際にやってもらおうということだ。この日の指導運転士はなんと記者を育ててくれた萱沼鬼教官だった。鬼と言ってもそこは愛情と事故を起こさない信念で指導してくれいたことは過去の記事で述べたとおりだ。
萱沼教官が華麗なハンドルさばきで12メートルのセレガを狭い構内で動かしていく。当然だがマニュアル車である。体験にはバックも含まれているので、バックモニターを見ながらの後退もする。前進はともかく、後退は指定された枠内に停車するのが難しい。
セレガを運転した後は、座談会にも出席した路線担当の運転士がポンチョを出してきて、構内での周回運転をする。当日は参加者が少なかったために、アドリブで「運転」体験ではなく「運転士」体験会となった。すなわち、マイクを付けてやりたければ自分で放送し、記者が任意の場所に立ってそこに停車してドア扱いをする体験をしてもらった。
このバス停の停車体験はどこに記者が立つかわからず、しかも周回を重ねるごとに壁近くに立ってみたり、周回半径が小さくなる位置に立ってみたりと、いろいろと楽しめるようにアドリブで工夫したつもりだ。









