ベストカー本誌(紙のベストカー)で試乗レポートを掲載したクルマに、その時とは別の人物3名が乗ってそれぞれに評価。ここでは、待望のMTモデルが追加されるスバル WRX S4を、岡本幸一郎氏、大音安弘氏、工藤貴宏氏が試乗評価する!!
※本稿は2026年2月のものです
文:岡本幸一郎、大音安弘、工藤貴宏/写真:ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2026年3月10日号
待望の日本上陸! 6MTモデルの「WRX」
ついに日本へ上陸する、6MTモデルの「WRX」(試乗はカナダ仕様)。
CVT専用となったWRX S4とは一線を画す存在だ。FA24型2.4L直噴ターボに6速MTを組み合わせており、275psの余裕あるトルクをドライバーの意思で操れるピュアスポーツセダン。
電子制御を過度に介さず、低回転から力強く立ち上がる加速とMTならではのダイレクトな操作感は、走る歓びを真正面から味わわせてくれる。
ベストカー本誌では、2026年2月10日号で国沢光宏氏が試乗。「本モデルは最廉価グレードで、いわば素うどんながら、楽しさったら半端ない。スバルのスポーツモデルはMT車に限る」と絶賛。
ここでWRXのレビューを担当するのは、岡本幸一郎氏、大音安弘氏、工藤貴宏氏の3名だ。
岡本幸一郎が乗って評価:「時代遅れで何が悪い! HパターンMTという贅沢」
「楽しい!」と「これで充分!」というのが第一印象だ。
「STI」の付かないカナダ仕様で最廉価グレードらしく見た目も控えめだけど、もちろんレッキとした「WRX」だから、ちゃんと275ps出ていて35.7kgmというトルクを2000~5200rpmという幅広い回転域で発揮するFA24型2.4Lターボエンジンが搭載されている。
楽しくて当然! 適度にトルクもレスポンスもあって充分に速いし、高トルク仕様じゃないMTのシフトフィールもクセがなく軽やかで操るのが楽しい。時代遅れだとかなんとか言われても、やっぱりHパターンのMTを操るのは、それ自体が楽しい。
エンジンはフラットトルクだけど、4000rpmあたりからトップエンドにかけての吹け上がりがなかなか気持ちよくて、上まで回してシフトチェンジして美味しいところを味わうMTの醍醐味もちゃんと味わえた。SIドライブがあったらなおよかったけどね。
ついでにいうと、筆者はMTは左ハンで乗りたいタイプの人間で、昔は左ハンMTの愛車も所有していたんだけど、手放してだいぶ経つし、今じゃ左ハンMT自体めったにお目にかかれないので、久しぶりに乗れて嬉しかったよ。
それにしても、もともと海外にはあったのに、なんで日本で売ってくれなかったんだろうという思いが再燃してしまった……。
●ポイント採点チェック
・ハンドリング:7点
・加速性能:8点
・シフトフィール:7点
・運転の楽しさ:8点
・内装の質感:7点
大音安弘が乗って評価:「エンジンと対話できる喜び。これが大人のツアラーの正解」
ついに念願の現行WRXのMT車に試乗。素直に、スバルの4WDには、やはりMTが欲しいと思った。この海外仕様のみとなる6MT車は、モデルの新旧だけでなく、先代STIとはトランスミッションと駆動方式が異なる。
同車は、TY75型と呼ぶ標準的な6速MTに、50:50のトルク配分を基本とするセンターデフ+ビスカスLSD方式の4WDを組み合わせたもので、シンプルかつ軽量な駆動系。つまり、往年の素のWRXに近い。
しかし、侮ってはいけない。軽快なシフト操作と2.4L化の加速力が大きな武器。発進も楽々だし、高トルクを活かし、高いギアでの加速も許容する。何よりも、CVTにはないエンジンに触れている感覚を嬉しく思う。これぞMTの醍醐味だ。
強いて言えば、先代STIのTY85型6MTのようなシフト剛性はない。その違いの理由は、主にシフト方式が異なるため。競技など本格的に走りたい人は、チューンナップを含めると、TY85が欲しくなるかもしれない。
ただ公道では、TY75でも充分という人が多いはず。試乗車は、カナダ仕様のエントリー仕様「スポーツ」だが、高トルクエンジンを活かした大人のツアラーというキャラが気に入り、カリカリの先代STIとは異なる魅力。
日本でも素のWRXが復活してもいいのでは。MT派としては、早く日本にもMT帰ってこい! と切に願う。
●ポイント採点チェック
・ハンドリング:8点
・加速性能:9点
・シフトフィール:7点
・運転の楽しさ:10点
・内装の質感:7点



















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