京都市交通局(京都市バス)は方向幕車率が2018年時点を基準に全国でもダントツでトップであったが、2024年に方向幕車が全滅してしまった。この6年の間にどうやって方向幕車が消滅していったのかをたどっていこう。
(記事の内容は、2024年12月現在のものです)
執筆・写真/高木純一
※2024年12月発売《バスマガジンvol.127》『方向幕の世界』より
■2017年度車までは幕車を導入していた
京都市バスは2017年度の新車まで、一部を除いて方向幕を搭載した新車を購入していた。これは路線バスを運用する事業者(台数規模100台以上)としては唯一である。
だが、この時点で幕車率が100%でないのは理由がある。
2004年度車にLED行先表示搭載車が数台存在する。これはMKタクシーが京都市内の路線に参入しようとて導入したが話は実現せずに京都市バスに編入された車両である。
その後、2007年度から日野ポンチョ、2010年度からはブルーリボンシティハイブリッドでLED行先表示搭載車が採用された。しかし、それ以外の車両は同時期導入車でも幕車で入れられ、LED表示機搭載車が大きく増えることは無かった。
ブルーリボンシティハイブリッド車に関しては、2013年度車からはまた幕車での導入に戻ってしまった、という前代未聞な状況であった。
その後、2017年度車まで幕車での導入をしてきたが、2018年度車よりフルカラーLEDでの導入に変わった。
なぜ急にLED車に変わったかというと、今までは3色LED(緑、赤、オレンジ)のみしかなく、系統番号を色分けしていた京都市バスではLEDは系統番号が色分けされていないから見づらい、という問題があった。
そのため普及はしていかなかったが、フルカラーLEDの登場により、系統番号の色が方向幕並みに再現できることがわかり、導入に踏み切ったというわけだ。
■新車導入と在来車のLED改造が進み一気に減少
ちなみに、2014年度の大改正で、方向幕のデザイン・レイアウトが大幅に変わったが、これはフルカラーLEDを導入し、そのままのレイアウトで表示していくためにフォームが変えられたのだと思う。
新車導入のたびに幕車の率は少なくなってきたが、2020年度からはいよいよ在来車のLED改造が行われていく。ここ数年で廃車予定の車両は幕車のまま残し、それ以外の車両(おおよそ2007年式以降)が順次フルカラーLEDに載せ替えられた。
その間に九条営業所の全車両がフルカラーLEDに載せ替えが完了し、同所の幕車はいち早く消滅、急激に幕車の数は減っていった。2023年度初頭時点で全所有車両のうち四十数台しか幕車は残っていなかった。
年度末の新車入れ替えと同時に、まだ幕で残っていたこの年に廃車にしない数台をLED化して、方向幕王国であった京都市バスの方向幕車は全滅した。
新車で幕車を入れ、90%以上あった方向幕車の全滅までわずか6年であった。時代の流れの速さを痛感してしまったのは言うまでもない。
【画像ギャラリー】方向幕車率トップからわずか6年で消滅……特異な歴史を辿った京都市営バスの方向幕車(7枚)画像ギャラリー








