2020年代も後半に入り、燃料電池トラックの本格的な商品化が近づいてきた。それらが搭載するとみられる開発中の次世代FCシステムが、さきごろ都内で開催された「第25回スマートエネルギーWEEK/H2&FC EXPO」で勢ぞろいした。その最新情報をレポートしよう。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/フルロード編集部、セルセントリック、ホンダ、ヒョンデ、ダイムラートラック、ボルボトラック
次期型FCトラックに搭載される最新FCシステム登場
水素と酸素から電気を生成する燃料電池(FC)は、バッテリーEVの成立が難しいとされる長距離トラック・バス用の脱炭素パワープラントとして開発が進められている。
ただし最近は、FCと水素が高価なうえ、水素供給インフラの整備も進まないこと、EVへの過度な傾注への見直しから、トーンダウン気味であることは否めない。とはいえ、数十年先に向けた持続可能な社会の構築に向けて、その開発が地道に進められているのも確かだ。
■トヨタ/大型商用車向け第3世代FCシステム
トヨタ自動車は、前回の同展で「第3世代FCシステム」の開発と2026年、つまり本年の製品化を発表している。今回、開発の中心たる大型商用車用システムでは、電力の出力値として『300kW』を公表した。
もっともこの数値自体は、競合する大型車用FCシステムと同等ではあるが、トヨタの従来FCシステムに対して『耐久性能2倍・燃費性能約20%向上・コスト大幅削減』を実現するのが特徴だ。
説明員によれば、前回出品時に対して、FC本体とともに、FCシステムの補機や配管設計なども改良しているという。重量はディーゼルエンジンに対して『やや重くなっている』とのことだが、大型レシプロ機関特有の振動がないため、マウント艤装はかなり楽になるだろう。

